Robomartはスーパーマーケットチェーンなど、大手チェーンストアへのリースが計画されている。現在、プロトタイプの1号機が既にカリフォルニア州で製造されており、今秋からサンタクララ地区で実証実験を開始する予定だ。実験では6台のRobomartに野菜や果物、菓子類を搭載してテスト販売する。なお、自動運転そのものについて技術面や社会受容性の面でまだ課題があるため、テスト期間中は自律走行は避け、遠隔操作で移動させるという。

AIが車内で個別に買い物を支援

車両に乗り込んで買い物をする移動式のコンビニであれば、もっといろいろな商品を販売できる。スウェーデンのWheelysが中国の合肥工業大学と共同で開発した「Moby Mart」は乗り合いバスのような大きさの車両で、車内にはさまざまな商品が並んでいる。キオスクなど駅にある小規模な店舗にタイヤが付いたようなもので、言ってみれば、中に入って商品を買える、自走式の無人コンビニエンスストアだ(写真2)。店内の在庫管理や商品の補充などはAIが行う。具体的には、在庫が減ってくると自動運転によって倉庫に引き返して商品を補填するといったことになりそう。ほかに、イベントなどで人がどこに人が集まるかをAIが予想し、その場所に自律的に移動するといった機能も考えられている。

(写真2)Wheelys が開発した自走式のコンビニエンスストア「Moby Mart」
上海で行われた実証実験では公道での自動運転が許可されていなかったので、ドライバーが運転した。(Wheelysのホームページから引用)

車両の中に入ると、ホログラムで表示された店員Holが出迎えてくれる。事前に会員登録しておき、入店はスマートフォンを使って認証する。店内では実際に手に取った商品をショッピングカートへ入れながら、アプリでスキャンしておけば、店舗を出る時に自動的に精算されクレジットカードなどで自動決済する仕組みである(写真3)。

(写真3)Moby Martの店内は数人乗っても余裕があるくらいの広さ
(Wheelysの動画から引用)

Holは天気に関することなど簡単な会話ができ、利用者の属性に合わせておすすめの商品を提案したり、予算内で買い物をする手助けをしたりする。店内に欲しい商品が無くてもHolに予約注文しておけば、後日Moby Martで購入できる。将来的には利用者一人ひとりの購入パターンを読み取り、晩御飯のレシピを提案する、といったことも可能にする。Robomartのようにスマートフォンで好きな場所に呼ぶことはできないものの、そこは別の手立てとして、天井に収納したドローンを使って任意の場所に配送することになるようだ。

手のひら認証での決済を採用した自動運転コンビニも

上海では、手のひら認証を採用した自動運転コンビニの実証実験も行われている。車両にはShenlan Technologyが開発した自動運転商用車「Pattaya」を、認証・決済にはDeepblue Techの手のひら認証を採用している(写真4)。スマートフォンのアプリで予約すればPattayaがやってきて、利用者は手のひら認証だけで入店して買い物できる。現段階でのPattayaの自動運転はレベル3(クルマだけで自律走行できる機能を備えるが、ドライバーの乗車が必須)であるためドライバーが乗って運転をサポートしているが、将来的にはレベル4以上の完全無人運転走行を実現する予定である。

(写真4)Shenlan Technologyが開発した自動運転商用車「Pattaya」
(Deepblue Tech及びXinhuaのホームページから引用)

Pattayaの最大スピードは時速90km程度で、連続走行距離は約160km。車両は無人コンビニ専用というわけではなく、オフィスや寝室、移動会議室など、ユーザーの使用目的によって車内を柔軟にレイアウトできるようになっている。車両価格40万元(約650万円)以下を目標としているPattayaは、将来的には1日4000~5000円程度でのレンタルも検討している。