歩道を走るデリバリーロボットも登場

歩道を走って荷物を届ける宅配ロボットも、国内外でいろいろと実験が行われている。ZMPは、歩道を自動走行する宅配ロボット「CarriRo Delivery」(キャリロデリバリー)のプロトタイプを開発した(写真3)。CarriRo Deliveryはさまざまなセンサーとカメラで周囲を360度認識しながら最大時速6kmで自律走行し、最大100kgの荷物を運搬できる。コンセプトは「歩道を走れる宅配ロボット」で、飲食物のデリバリーやクリーニングの集配、移動式物品販売などといった利用方法を想定している。2017年8月には、銀のさらを展開するライドオン・エクスプレスが、CarriRo Deliveryを利用した「すしデリバリーサービス」の実証実験を開始する予定である。

実用化に向けての課題は「道路運送車両法」をクリアすること。つまり、CarriRo Deliveryを「小型特殊自動車」ではなく、「シニアカー」や「歩行者」と同じような移動支援ツールとして認定される必要がある。ZMPではこのほかにも、複数のロボットをトラックへ積み込みマンションの入り口まで輸送し、マンションの入り口から各戸へ自動配送を行うCarriRo Express(キャリロエクスプレス)という宅配ロボットも開発中だ。

(写真3)ZMPの宅配ロボットCarriRo Delivery
(ZMPのWebページから引用)

欧州では2016年夏からStarship Technologiesが、宅配事業者やスーパーマーケットなどと共同で、歩道を自動走行する宅配ロボットで商品配送する実証実験を行ってきた。Starship Technologiesの宅配ロボットは6輪で、自律行動と遠隔操作のハイブリッドタイプ。今夏からドミノ・ピザが欧州で、Starship Technologiesの宅配ロボットを使ったピザの宅配サービスを開始すると発表している。ドミノ・ピザはDomino's Robotic Unit(DRU)の取り組みの中で独自に宅配ロボットを開発してきたが、欧州でのサービスではStarship Technologiesのロボット(写真4)が採用されるようだ。


(写真4)ドミノ・ピザの宅配サービスで使用されるStarship Technologies の宅配ロボット
(Starship TechnologiesのWebページから引用)

自走式のコンビニエンスストアでどこでも買い物

スウェーデンのWheelysは、中国の合肥工業大学と共同で、自走式の無人コンビニエンスストアMoby Martの開発に取り組んでいる。Moby Martはバスのような形をした車両で、車内にはさまざまな商品が並んでいる(写真5)。キオスクなど、駅にある小規模なコンビニエンスストアにタイヤが付いたようなもので、天井にはドローンが収納されているので、ドローンを使った配送にも対応するようだ。

車両の中に入ると、ホログラムで表示された店員が表れ出迎えてくれる。事前に会員登録しておき、入店はスマートフォンを使って認証する。店内では実際に手に取った商品をショッピングカートへ入れながら、アプリでスキャンしておけば、店舗を出る時に自動的に精算されクレジットカードなどで自動決済する仕組みである。

いずれはAI搭載のアシスタント機能を持たせ、ホログラムの店員が予算内で買い物をする手助けをしたり、利用者の属性を見ておすすめの商品を提案できるようにする。また、在庫が減ってくると自動で倉庫に引き返して商品を補填したり、イベントなどで人が集まると予想される場所に移動する機能も考えられている。Wheelysの計画にはまだ入っていないが、スマートフォンで呼べば個人の家の近くまで販売に来てくれるようなことも可能になるかもしれない。


(写真5)Wheelys が開発した自走式のコンビニエンスストア
(Wheelysのホームページから引用)