下の図は、セバスチャン・ベッテル選手が、前を行くルイス・ハミルトン選手を追い抜こうとしているシーンで、AWSは成功確率を「94%」と弾き出した。また、モーターレースで勝敗を左右する一因のピットストップについても時間を予測し、前を走る車両がピットに入って、タイヤを交換してから出た後に、後続車両がどれだけリードしているかの時間の予測も表示している。

セバスチャン・ベッテル選手が前を行くルイス・ハミルトン選手を追い抜こうとしているシーン。成功率の予測値は94%と非常に高い
(図:AWS)
[画像のクリックで拡大表示]

パスの成功確率は「45.59%」

売り上げ規模が年間1兆4000億円超と米4大プロスポーツの中で最もビジネス規模が大きく、そして高い人気を誇るNFL。そこでの取り組みも、視聴者の高い関心を呼ぶものだ。司令塔であるクオーターバック(QB)のパスが重要な局面で成功するかどうかを予測している。

NFLでは、2017年シーズンから選手が装着する左右の肩パッドに1個ずつRFIDタグを埋め込み、スタジアムに設置した読み取り装置が10秒に1回、RFIDタグからプレーヤーの動きに関するデータを取得している。精度は1インチ(2.54センチ)以内。試合がある週のデータ総量は3TBに達するという。米ゼブラテクノロジーズ(Zebra Technologies)がRFIDタグを供給している。

Gavin氏によると、パスの成功確率の予測に当たって、過去の約3万5000のプレーをSageMakerに学習させたという。予測は1秒以内に行われ、API(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)経由で放送局にデータが送られる。

NFLでのパスの成功率の予測。画面では45.59%。過去の約3万5000のプレーをSageMakerに学習させたという
(図:AWS)
[画像のクリックで拡大表示]

予測に使うパラメーターは、選手のフォーメーションや、QBがボールを投げるまでの予測時間、ボールを受けようとするレシーバーまでの距離、さらにQBの近くにいる相手のディフェンスがタックルに成功するか、など多岐に渡る。上の図の場合は、成功確率は「45.59%」と5割を切っていた。

この記事は、日経 xTECH(クロステック)の「スポーツイノベーターズ」に掲載したものの転載です(本稿の初出:2019年5月9日)。