子ども同士が触れ合い、新しいリハビリと笑顔が生まれる

ウブドべは月に何度かのペースで、プログラミングに協力してくれる子ども(キッズプログラマー)の募集・育成を目的として「デジリハLAB体験会」を実施している。初めてその場で会った子どもたちが一緒になって、軍手をはめて折り紙などリハビリを疑似体験して、“リハビリを受ける側”の気持ちを知ったうえで、プログラミングに取り組む。プログラミングには、未体験の子どもたちでも比較的容易に使えるビジュアルプログラミング言語「vvvv」を採用する。

デジリハLAB体験会の様子

2018年の夏には2人のキッズプログラマーが千葉県松戸市の千葉西総合病院に出張し、8年間にわたりリハビリを続ける齋藤千華ちゃんと交流。実際のリハビリ現場を見学し、一緒になって遊びながら好きなものを聞いて「千華ちゃん用」のデジリハメニューを考案した。

まずは風船バレーボールでキッズプログラマーと遊ぶ

大人であればヒアリングから入るところだが、最初に行なったのは座りながらの風船バレーだった。出会ってすぐは表情が固かった子どもたちも、文字通り「同じ目線」で遊ぶことですぐに打ち解けた。気持ちが通じ合ったところで、絵を描きながら千華ちゃんの好きな食べものや色、動物などをヒアリングし、プログラムに入れる要素を落とし込んでいく。

絵を描きながらのヒアリング

その後、リハビリルームに移動して定期的に行っているリハビリを見学。あまり自由の利かない左手を鍛えるための、ボールや積み木、ゴムチューブを使ったものなど、普段は時間がかかってできないメニューも、同世代の子どもたちがいるためか、この日は高いテンションでこなしたという。その間にもキッズプログラマーは千華ちゃんに喜んでもらおうと一生懸命プログラミングを続ける。

リハビリルームの片隅でプログラムを続ける
千華ちゃんの嗜好を盛り込んだメニューの原型。手を開閉して好きな果物をつかむ運動になっている

その結果、遊びやヒアリングの時間を含めてもわずか3時間ほどでリハビリメニューの原型が完成した。加藤氏は「単にプログラミングを学ぶことだけではなく、ほかの人の役に立つことを学ぶ機会と考えている。だからこそデジリハは障がい児と健常児の理想的なタッチポイント。ここから両者の交流が自然なものになっていけばいい」と話す。もちろん大人の支えは必要だが、子どもたちのエコシステムはほかに類を見ないもの。これを成長させていけば、リハビリの世界に革命を起こせるかもしれない。