新型コロナは直接的な健康被害のみならず、メンタルにも多大な影を落としている。急激な社会習慣の変化、先行きの見えない経済への不安、長引く在宅生活から来るストレスなど、その影響は大きい。これら心の悩みに役立つのが、さまざまなカウンセリング支援だ。官民問わず、新型コロナに特化した相談サービスを活用できる。

厚労省と経産省が積極的に“こころのケア”をサポート

心の相談が急増している。原因は言うまでもなく、新型コロナウイルス感染症である。厚生労働省のまとめによれば、2020年4月の1カ月で全国都道府県と政令市の精神保健福祉センターに寄せられた新型コロナ関連の相談は4946件。これは、2月7日~3月31日までの相談件数の3倍ほどに上る。

4月には緊急事態宣言が全国に発出され、どの街も火が消えたように静かになった。これまで経験したことのない異様な状況の中で、人々は計り知れないストレスを抱えることになった。今回の場合、日本だけではない。国連のアントニオ・グテーレス事務総長は、新型コロナの影響がメンタルヘルスの危機につながると警告し、加盟国に対策を強化するように呼びかけた。

厚労省ではポータルサイト「こころの耳」を通じて、早い段階から新型コロナに関するメンタルヘルス情報を発信してきた。医療の専門家からのアドバイス、ストレッチやツボ押しなど在宅勤務に役立つコンテンツなどを紹介しているが、最も実用的なのは「こころの相談窓口」のリンク集だ。新型コロナに関しては無料電話相談に加えて、無料のチャット相談もできる。

厚生労働省が紹介する新型コロナ関連の相談窓口(出所:こころの耳)
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チャット形式の相談(https://lifelinksns.net/)は、心理カウンセラーの業界団体である全国心理業連合会が運営している。1回の相談はおよそ60分を目安とする。ただし、医療行為となる診断、診療行為は一切行わず、あくまでアドバイスにとどめる。登録が不要で、利用規約に同意すればすぐに相談できる点が強みだ。

チャット相談のページ。利用規約に同意すればすぐに始められる(出所:新型コロナウイルス感染症関連SNS心の相談)
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無料健康相談に関しては経済産業省も熱心にサポートしている。これまでLINEヘルスケアとメディプラットにチャット形式での無料健康相談窓口を委託してきたが、メンタルヘルス専門でセーフティネットを新たに追加。セーフティネットによる「こころの安心相談」は、フリーダイヤル(0120-221-677)で24時間無料の電話相談窓口となる。対応するのは産業カウンセラー、公認心理師、臨床心理士、保健師、看護師などの経験豊富なカウンセラーたち。相談事例は多岐にわたるが、例として子育て、夫婦関係、DV、仕事のストレス、経済面の不安などを挙げている。チャットに不慣れな世代にはこちらが効果的だ。

メンタルヘルスの無料相談を委託されたセーフティネットのページ。期間は2020年6月26日まで(出所:セーフティネット)
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