筋骨格の領域から健康格差の解消を支えていく

――HOCOHの製作フローを教えてください。

岡部 専用のWebページからオーダーできます。スマートフォンなどでガイダンスに従って6枚の写真を撮影し、LINEを使って送信してもらえば4週間ほどで自宅にHOCOHが届く仕組みです。LINE上では我々が開発したAI(人工知能)が丁寧にフォローするのも特徴です。1カ月間のトライアルを設け、足に合わなかった場合は無料で返品可能です。さらに写真から解析したフットケアのアドバイスや、足の悩みの相談も受け付けています。通院もなく、すぐに注文できて総コストは税込み2万7280円。まだ手頃という価格ではありませんが、普及とともに今後もっと価格を下げていくつもりです。

HOCOHのオーダーフロー。全国各地からすぐに注文できるのがポイント(出所:ジャパンヘルスケア)
HOCOHのオーダーフロー。全国各地からすぐに注文できるのがポイント(出所:ジャパンヘルスケア)
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並行して、整骨院を通じたオーダーも拡大中です。整骨院は足や腰のトラブルで最も身近なタッチポイント。フットケアをより身近にサポートするために、HOCOHの技術講習を受けた専門家が、インソールが必要かどうかをアドバイスします。これまで西洋医学に立脚した「病院」というものと、東洋医学の観点をベースとする「整骨院」はあまり交わることはありませんでしたが、下北沢病院でも地元の整骨院と連携しながら協力体制を結んでいます。それぞれ役割を分担しながら、社会全体で患者をしっかりとケアするシステムを作っていくことが理想です。

――サービス開始から1年が経過したそうですが、ユーザーからはどのような声が届いていますか。

岡部 「インソールを経験する以前と以降では世界が大きく変わった」「足がすごく楽になり、歩行しやすく、踏ん張りやすくなった」「腰痛持ちだったが気にならなくなった」と好意的な意見が多いですね。足の痛みが取れればより長い距離を歩けるようになって行動範囲が広がり、日々の散歩でも張り合いが出てきます。歩くのが辛くて旅行をあきらめていた人が、また楽しさを取り戻すこともできるでしょう。

今や、自分の体を100年も使わなくてはいけない時代になりました。100年間持たせるためには姿勢をきちんと整えてうまく歩けるようにしなくてはならない。インソールが素晴らしいのは、本人の努力が必要ないところ。普段履いている靴に敷いて下から支えてくれるので、努力せずに継続できます。要するに周囲の環境を変えることで健康寿命を延ばすことができるのです。

28本の骨から成る足の構造。繊細なメカニズムを支えるインソールの可能性は大きい(写真:小口正貴)
28本の骨から成る足の構造。繊細なメカニズムを支えるインソールの可能性は大きい(写真:小口正貴)
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世の中、健康に意識的な人たちばかりではありません。その現実は透析センターで十分に思い知らされました。究極的には、どんな家庭環境で育ってもきちんと予防ができ、社会的・経済的要因による健康格差をなくしたい。そのゴールに向けて、筋骨格の領域から支援していきます。