Q: AIやビッグデータをさらにあすけんのサービスに活用したいとの思いはありますか。

すでに活用していますし、今後も活用の幅を広げていきたいです。

予防医療、ヘルスケアサービス全般のテーマは「長く使ってもらうこと」ですが、まずはそのためにAIやビッグデータを活かしたいです。例えば、あすけんでは、すでに食事内容やダイエットの目標設定に応じたアドバイスを自動表示することに成功していますが、これをもっと高度にしたい。

その人の性別や年齢、食事の栄養素が分かれば、機械学習に頼らなくても「カロリーを摂りすぎている」などは判断できます。が、「カロリーを減らしましょう」という趣旨のことを、どういうニュアンスで伝えれば、よりその人がやる気になって行動を変えてくれるかなどとなってくると、単純なルールベースではなく機械学習の力が活かせる領域になります。同じ趣旨のアドバイスを出すにしても「この人には優しいトーンで」とか「この人にはちょっと分析的に」とニュアンスを変えるだけでも、反応が大きく変わってきますので。

もう1つは、未来予測に使いたい。115万人のデータがありますから。例えば同じような体重、身長、年齢、性別の方で、似たような行動をしている方の傾向から、「この食生活のままだとこういう体重になりますよ」といったような情報も提供できます。

健康経営や食育も視野に、「食」から広がる健康の未来図

Q:JTBコミュニケーションデザインとコラボして、健康経営に向けたサービスも発売しました。

はい。「ブレイン&モチベーション・コンディショニング」と呼ばれる従業員のパフォーマンス向上プログラムです。JTBコミュニケーションデザインの「モチベーション・コンディショニングプログラム」はその名の通りモチベーション向上を目的としたもので、我々が提供する「ブレイン・コンディショニングプログラム」は、あすけんのノウハウを生かした食事・運動・睡眠改善プログラムになります。

ブレイン&モチベーション・コンディショニングのイメージ

これまでの企業向け健康サービスは、医療費を減らすためにメタボの方を対象にするというものがほとんどでした。ブレイン・コンディショニングプログラムは、目先を変えて意識が高い方を対象にしています。たとえて言うなら、健康コーナーで糖尿病の本を読んでいる人ではなく、ビジネス書コーナーにしょっちゅう立ち寄るような方をイメージしています。そうした意識が高い人たちには、「将来、糖尿病になってしまうかもしれません」と伝えるより、「運動すると海馬が鍛えられて脳が活性化する」「食事改善によって集中力の持続時間が長くなる」といった情報を伝えるほうが生活を変える気になってもらえる可能性があります。

弊社のブレイン・コンディショニングで土台作りをお手伝いし、その上にJTBコミュニケーションデザインさんのモチベーション・コンディショニングを組み合わせてパフォーマンスを発揮していただくというコンセプトのコラボレーションです。

Q:そもそも親会社のグリーンハウスは社食・外食・ホテル事業を広く展開していますから、リアルとの接点という強みがあります。リアルの施策とITとの相乗効果はありますか。

そうですね。グリーンハウスグループとして厚生労働省が「健康寿命」の延伸に資する優れた取組を表彰する制度「第3回健康寿命をのばそう!アワード」(2014年)の優良賞を受賞したのですが、まさに“食の現場”があるからできたことだと考えています。社員食堂で「スマメシ」という健康によいメニューを提供しながら、従業員の方にあすけんをご利用いただきました。さらに現場にいる栄養士が、社食に来た方に「今日も来てくれましたね。今日も健康メニューがありますよ」とリアルにお声掛けする。デジタルもアナログもオフラインコミュニケーションも組み合わせてサービスを提供できることがグループの強みです。

Q:あすけんを通じて、どのような“食×健康の未来”を思い描いていますか。

食事でなりたい自分になるお手伝いをしたいと思っています。現段階でも、とてもたくさんの方が食事を改善し、ダイエットに成功するなどなりたい自分作りをお手伝いできていますが、今後はさらに対象を広げていきたいです。

例えばですが、中学生や高校生の食育にも十分効果的だと考えます。サッカー選手になりたいのであれば、それに耐えられるための筋肉と骨を作る食事があるし、効率よく勉強したいのであれば、それに適した食事がある。

食事をしない人はいませんし、食事は体を作る素材です。ですから、あすけんは、もっと幅広い方にとって、ずっと役立ち続けるサービスになれると考えています。