設備利用率が1ポイント上昇も
今年2月上旬に、取材で「露藤発電所」を訪れた。積雪は約1m以上に達しているものの、垂直に並んだパネルは、雪の上に余裕をもって顔を出している(図9)。同日に近くに建設された設置角30度に固定した太陽光発電所では、パネルの上に雪が積もっていた(図10)。垂直にしたことによる積雪対策は、一目瞭然だ。「垂直に立てることで、風を真正面に受けることになるが、十分に強度計算しているので、これまでに破損などの不具合はない」と、高山社長は言う。
単管パイプやジョイント金具の耐久性については、「建設会社として、単管パイプとジョイントを使った建築案件を長年、手掛けてきた。多少の腐食はあっても、十分に20年以上の使用に耐えている」(高山社長)。
高山工務店が、「露藤発電所」に先行して、可動式架台を導入した米沢市の太陽光発電所(約300kW)では、2013年9月~2014年8月までの1年間の設備利用率の結果が出ている。それによると、年間の設備利用率は13.3%と、雪国ながら全国平均並みの水準となった。同じ置賜地域の長井市にある1.9MWのメガソーラー(設置角20度固定、積雪期は除雪)における同期間の設備利用率は12.0%というデータがあり、それと比べると1ポイント以上、設備利用率が高いことになる。