探訪

水の噴射で、メガソーラーの雪を溶かし、夏は冷却(page 3)

富山県企業局が太陽光発電に散水システム導入

2015/05/26 00:00
金子 憲治=日経BPクリーンテック研究所
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休止した浄水場からお金を生み出す

 ここまでして売電量を最大化した背景には、神通川浄水場の休止に至る経緯がある。同浄水場は、1979年に開設したが、周辺地域に当初想定したほど工場が立地せず、設備能力の10分の1も稼働しないまま赤字が続いた。黒字化のめどが立たないことから、他の工業用水事業に統合し、神通川浄水場は2000年に休止し、負債だけが残った。企業局では、隣接する空き地でゴルフ練習場を経営するなど、遊休施設の収益化に躍起となっていた。

 FITの開始を機に、浄水場の敷地をメガソーラーに活用した場合の事業性を検討した結果、収益性は高いと判断、建設に踏み切った。建設費用は地方債を発行して調達した。その売電による収益は、浄水場建設時から残る負債の返済に充てるため、売電量の最大化が至上命題となった。そこで、沈殿池の上も含め、敷地内に最大限にパネルを敷き詰めるという設計に取り組んだ。

 とはいえ、雪国の限界もある。最近では、設置角を10度程度にして影の長さを短くし、パネルの間隔を詰めてより多くの枚数を設置する設計が一般的だ。しかし、富山市にメガソーラーを建設する場合、積雪対策が大きな課題になる。一度に50~60cmの雪が降ることも珍しくない。設置角を大きめにして、パネルに積もった雪を滑り落とすことが必須になる。そこで、パネルの設置角を20度、パネル下部と地面との設置高を1m空けることにした(図5)。

図5●沈殿池以外のパネルは、設置角20度、設置高1mで設置した(出所:日経BP)
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