探訪

水の噴射で、メガソーラーの雪を溶かし、夏は冷却(page 4)

富山県企業局が太陽光発電に散水システム導入

2015/05/26 00:00
金子 憲治=日経BPクリーンテック研究所
印刷用ページ

20年間で8000万円も売電収入が増加

 ただし、沈殿池の上にパネルを設置する場合、大きな設置角を確保することは構造上、得策ではない。また、沈殿池の上に設置角20度でパネルを設置した場合300枚しか設置できないが、5度に寝かせれば768枚と4割も多く敷ける。一方で、5度にした場合、積雪の重みでパネルが損傷してしまっては、元も子もない。そこで、5度で設置して、敷地内に豊富にある水をまいて雪を解かすというアイデアが出てきた。沈殿池の上であれば、散水しても池に流れ落ちるので、新たな排水設備が必要ないという利点もある。

 道路などの融雪に使われている噴射ノズルなどを転用し、5度に傾斜したパネルの上側から、水を噴射して雪を解かす仕組みを考案し、設置費用を試算したところ、配水管の設置に約1100万円、散水システムの設置に約2300万円など、合計で3500万円程度の費用と分かった。これに対して、沈殿池に5度で設置した場合のパネル枚数の増加分によって、20年間で約8000万円の売電収入の増加が見込まれた。十分に投資対効果があることから、散水設備の設置を決めた。

 浄水場に設置したパネルを想定した散水システムは、前例がない。富山県企業局は、地元企業の協力を得ながら独自に設計した。池の上にも、他のエリアと同様、南北に横向きに4枚を配置する大面積のアレイ(パネルの設置単位)を設置した。このアレイ全体に噴水が届くように、タイプの違う2つのノズルを交互に配置した。1つはスプレー角度の狭いタイプで、幅は狭いが長い距離に水を噴射できる(図6)、もう1つはスプレー角度の広いタイプで、距離は短いが幅広く噴射できる(図7)。富山県企業局は、こうした散水システムを含めたメガソーラー設備を独自に設計し、施工事業者に仕様発注した。

図6●スプレー角度の狭いノズルは、長い距離を散水できる(出所:日経BP)
[画像のクリックで拡大表示]
図7●スプレー角度が広いノズルは、幅広く散水できる(出所:日経BP)
[画像のクリックで拡大表示]
  • 記事ランキング