探訪

水の噴射で、メガソーラーの雪を溶かし、夏は冷却(page 5)

富山県企業局が太陽光発電に散水システム導入

2015/05/26 00:00
金子 憲治=日経BPクリーンテック研究所
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パネルの隙間をポリウレタン樹脂で埋める

図8●パワーコンディショナー(PCS)は東芝三菱電機産業システム(TMEIC)製を採用(出所:日経BP)
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図9●ポリウレタン樹脂材を挟んで隙間をなくした(出所:日経BP)
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 太陽光パネルはシャープ製、パワーコンディショナー(PCS)は東芝三菱電機産業システム(TMEIC)製を採用し、電気設備の施工は、北陸電気工事が担当した(図8)。

 課題となったのが、パネルとパネルとの隙間だ。噴射した水が、隙間から池に流れ落ちてしまうと、融雪効果が落ちてしまう。まず、テープを貼る方法を検討したが、劣化が早いことから、断念した。最終的には、耐久性と耐熱性を考慮し、ポリウレタン樹脂材をフレームの間に挟み込むようにして固定し、隙間を埋めた(図9)。

 稼働1年目の発電量は、NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)の日射量データベースを使った予想発電量に比べ、約20%も上振れする好スタートとなった。水の噴射は自動的に作動停止して記録が残らないため、冬場の融雪と夏場の冷却に、何回作動したかは把握できないが、1年間で約3万tの水を消費したという。散水システムの作動パターンについては、やや過剰な可能性があるため、今後、条件設定などを見直す方針で、そうなれば水の消費量はもっと減らせる見込みという。

 山本主幹は、「排水をパネル下の池に流せるという利点を生かすことで、費用対効果の高い散水システムを構築できた。こうした周辺設備のない施設に散水装置を導入する場合、排水設備をいかに低コストで設置するかが大きな問題になる」とみている。

●設備の概要
発電所名神通川浄水場太陽光発電所
住所富山市松木 神通川浄水場敷地内
発電事業者富山県
総事業費7億2200万円
資金調達地方債を発行
土地所有者富山県
設置面積約2.9ha
出力2.101MW(太陽光パネル設置容量)、1.750MW(連系出力)
年間予想発電量2089MWh(約580軒分)
発電売上約16億円(固定価格買取期間20年の累計)
設計富山県企業局
施工北陸電気工事など(仕様発注)
O&M(運用&保守)富山県企業局
太陽光パネルシャープ製多結晶シリコン型(290W品)7248枚
パワーコンディショナー(PCS)東芝三菱電機産業システム(TMEIC)製
売電開始日2014年3月
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