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水上メガソーラーで、水草抑制やパネル冷却効果も

工法の工夫で地上設置と初期投資が遜色ないレベルに

2015/07/08 00:00
加藤 伸一=日経BPクリーンテック研究所
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 兵庫県加西市にある逆池(さかさまいけ)の水上で、出力約2.3MWのメガソーラー(大規模太陽光発電所)「兵庫・加西市逆池水上メガソーラー発電所」(図1)の運用が始まった。水上に設置したメガソーラーとしては、世界最大規模となる。

図1●逆池の水上にある出力約2.3MWのメガソーラー
水上設置型では世界最大規模(出所:日経BP)
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 6月11日に、関西電力への売電を開始した。年間発電量は、一般家庭約820世帯の消費電力に相当する、約2680MWhを見込んでいる。

 京セラと東京センチュリーリースの合弁によるSPC(特定目的会社)、京セラTCLソーラー(東京都千代田区)が発電事業者となる。

 京セラTCLソーラーは、地上や大規模建物の屋根上とともに、貯水池やダムなどの水上のメガソーラーの開発に取り組んでいる。

 逆池に次ぐ規模の水上設置型メガソーラーも、同じく京セラTCLソーラーが兵庫県加東市で運営する案件で、出力は約1.7MWになる。今後は、千葉県市原市にある山倉ダムに、約13.4MWの水上メガソーラーを開発する計画も進めている(関連ニュース)。

 再生可能エネルギー発電電力の固定価格買取制度(FIT)の施行以降、国内でメガソーラーの開発が加速したことで、太陽光発電に適し、かつ、連系の条件が良い事業用地が減ってきている。

 その中で、貯水池やダムを活用した、水上設置型のメガソーラーの開発に関心が集まりつつある。

 日本は、年間を通じて降水量の変化が大きい傾向にあり、農業用水を供給するための貯水池、工業用水を貯めるためのダム、河川が一定以上に増水した時に活用する調整池など、全国に多くの池がある。

 こうした池やダムは、地方自治体や地域の自治団体などが所有している。水面を太陽光発電事業者に貸すことで、毎年かかる維持管理費用を削減できる。

 賃借期間中は、太陽光発電事業者が維持や管理の多くを担うことになるためである。その上、太陽光発電事業者から、従来は考えられなかった賃借料が入るようになる。

 太陽光発電事業者にとっては、土地に比べて、相対的に安く借りることができ、事業性を高めやすくなる。

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