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IDECらの木製架台を採用した5MWメガソーラーが完成、11月から売電開始

2014/10/29 10:06
吉田 勝=日経ものづくり
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佐用・IDEC申山太陽光発電所
佐用・IDEC申山太陽光発電所
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インドMoser Baer Solar社製の太陽光発電パネル
インドMoser Baer Solar社製の太陽光発電パネル
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主に兵庫県産のひのき材を使った木製架台
主に兵庫県産のひのき材を使った木製架台
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IDEC代表取締役会長兼社長の舩木俊之氏(左)と佐用町町長の庵逧典章氏(右)
IDEC代表取締役会長兼社長の舩木俊之氏(左)と佐用町町長の庵逧典章氏(右)
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仏Schneider Electric社製のパワーコンディショナー
仏Schneider Electric社製のパワーコンディショナー
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 IDECと兵庫県・佐用町が佐用町内に建設を進めていた「佐用・IDEC申山太陽光発電所」が完成した(ニュースリリース(PDF))。大きさが1m×1.7mの太陽光発電パネルを2万160枚使った発電能力5MWのメガソーラーで、年間発電量は533万KWhを見込む。太陽光発電パネルを支える「架台」に、国内産のひのきを使っているのが特徴だ(関連記事)。2014年11月10日から関西電力への売電を始める予定。

 木製架台を使った構造は、同町の町長で一級建築士の資格も持つ庵逧(あんざこ)典章氏が考案した。「木材は腐食すると思われているが、常時乾燥させるようにすれば腐らない。30年くらいは持つ」(同氏)と自信をみせる。具体的には、10.5cm角×4m(一部は3m)の角材のひのきを井形に組んだものが架台となる。その上に太陽光発電パネルを載せて金具で固定し、これをコンクリートとブロックからなる土台の上に据え付けてボルトで固定している。「日本家屋の建築構造を採用した」(庵逧氏)という。つまり、太陽光発電パネルが屋根となって、梁(はり)に相当する架台に直接雨が当たりにくいというわけだ。地面と接するコンクリートやブロックの土台は、住宅の基礎に相当する。この他、パネルとパネルのすき間をつなぐ金具は架台の木材をカバーするように設置した上で、金具と木材の間にすき間を設けて通気性を確保するなど、湿気が残らない工夫を施している。金具には高耐食性の溶融めっき鋼板を採用した。

 使用した全1万4000本のひのき材のうち、1万2000本は地元である兵庫県産で、残りの2000本も国内産である。「間伐材を有効利用し、国内産木材の新たな需要を創出できる」(庵逧氏)としている。加えて、防腐剤を注入していないため、事業終了後に解体して再利用が可能という。一般に屋外で使う木材は防腐剤を注入することが多いが、燃やすと有毒ガスが出る場合がある上、パルプ材などにも使えない。今回の架台はそうした点を解決し環境配慮型である点を庵逧氏は強調する。

 材料コストは一般的な金属製の架台と同等だが、木材を並べて木ねじで固定するという単純な構造のため架台組み立ての作業性がよく、施工コストを1~2割程度低く抑えられたという。「初めての作業で慣れていなかったが、習熟すればより早く施工できるようになり施工コストもさらに下げられる」(IDEC)としている。実は、同事業を発表した時点(2012年12月)では、材料コストでもかなり優位性があると見込んでいた。しかし、この2年弱で一般的な金属製架台の価格が下がったことから、コスト競争力の優位性はやや後退した。

 太陽光発電パネルはインドMoser Baer Solar社製で、1枚当たりの発電能力は250Wである。パワーコンディショナーは、仏Schneider Electric社のものを採用した。発電した直流電力はパワーコンディショナーで600Vの交流に昇圧した上で、特別高圧設備で3万Vに昇圧して関西電力に系統連携する。運用は、IDECと佐用町が50%ずつ出資した設立した有限責任事業組合(LLP)「佐用・IDECメガソーラー有限責任事業組合」が担い、発電した電力を国の固定価格買い取り制度(FIT)を利用して関西電力に売電する。買い取り価格は42円で、年間売電収入は2億2200万円を見込んでいる。事業費は約15億円で10年で黒字化する計画だ。

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