探訪

北陸特有の強烈な「冬季雷」が直撃!? 富山市八尾のメガソーラー(page 2)

積雪が年間売電量を左右、ツル性植物やイノシシと苦闘

2019/06/25 05:00
加藤 伸一=日経BP総研 クリーンテックラボ
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北陸の気象など「三重苦」の克服

 八尾町でのメガソーラー開発では、収益性を低下させる、3つの負の要因を克服する必要があったという。このうち2つは、北陸の太陽光発電所に特有の条件だった。

 1つ目は、北陸という立地上、国内の他の地域に比べて日射量が少ないこと。2つ目は、積雪地域にあることだった。

 3つ目は、南北に細かく分散した土地で構成されていることだった(図3)。北側、南側の区画に分かれている上、道路を挟んだ飛び地となり、かつ、敷地形状の多くは、きれいな長方形ではなかった。太陽光パネルを効率的に並べにくいだけでなく、電線の総延長や、外周に設置するフェンスの総延長が長くなる。相対的に設備投資額が増すことになる。

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図3●細長い土地が分散している
(出所:新日本コンサルタント)
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 こうした「三重苦」を克服できたのは、パネルの配置を工夫して発電量を最大化するとともに、太陽光発電システム全体の効率を高めることで、設備コストの低下にもつなげたことなどによる。

 借地料は25円/m2、総投資額は約3.9億円、売電額は36円/kWhで、年間予想売電額は約4400万円となっている。設備容量当たりの建設費は27.5万円/kWと、当時の相場で太平洋側のメガソーラーと同等まで抑え、約14年間で投資を回収する計画を立案した。

 定格出力630kW、1000V対応という、当時としては大容量のパワーコンディショナー(PCS)を採用した。その結果、北側(749.3kW)と南側(666.7kW)を、それぞれ1台で賄えた。ストリング(太陽光パネルを接続した単位)あたりのパネルの枚数を増やし、パネルからPCSまでの直流回路を1000V対応で構成することで、接続箱の台数を減らし、電線の総延長を短くできた。送電中の電力損失も少なくなる。

 EPC(設計・調達・施工)サービスは、ゼネコン(総合建設会社)の佐藤工業が担当した。富山で創業した佐藤工業は、富山市に拠点がある。新日本コンサルタントにとっては、本業の建設コンサルタント事業で連携することが多い上、富山市の公募の条件に、地域に根差した企業に施工を委託するという条件があった。

 太陽光パネルは、ネクストエナジー・アンド・リソース(長野県駒ヶ根市)製を採用した。多結晶シリコン型(295W/枚)を4800枚並べた。PCSは東芝三菱電機産業システム(TMEIC)製を採用し、出力630kW・直流入力1000V対応機は、北陸地方で初めての導入だったとしている。

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