工場に次々と自家消費太陽光
群馬県館林市は、館林城の城下町として古くから栄えるとともに、関東内陸工業地域の一角を占めるなど、製造業も盛んだ。DICの館林工場もその1つで、東部工業団地に位置し、プラスチック用の着色剤などを生産している。
今年2月、同工場内の敷地に、出力1.27MWのメガソーラー(大規模太陽光発電所)が稼働した。館林市も含む北関東エリアは電力系統の空き容量がほとんどなく、数年前から事業用太陽光が接続できない状況になっている。それにも関わらず、DICがメガソーラーを建設、稼働できたのは、固定価格買取制度(FIT)を使わず、発電電力の全量を工場内で消費する「自家消費型太陽光」だからだ(図1)。
DICは、今年1月、国内の5事業所に合計で出力約1.5MWの自家消費型太陽光を相次いで稼働させた。導入したのは、館林工場のほか、千葉工場(千葉県市原市)、四日市工場(三重県四日市市)、埼玉工場(埼玉県伊奈町)、総合研究所(千葉県佐倉市)の5事業所。そのうち館林工場は、最大規模の太陽光設備となった(図2)。
実は、これら5事業所に先駆け、同社では、鹿島工場(茨城県神栖市)にもメガソーラーとバイオマス設備、風力発電設備、北陸工場(石川県白山市)にバイオマス設備を導入していた。DICが矢継ぎ早に自社事業所への再生可能エネルギー設備の導入を急ぐのは、事業の成長とCO2の大幅削減を両立させるためだ。