「コロンブス工法」で地盤改良
館林工場を訪れると、正門から入って、東側の最も奥まったエリアに、設置角10度に整然と並べられた太陽光パネルが目に入る。
工場の敷地内にあるため、太陽光パネルを囲むフェンスはなく、パワーコンディショナー(PCS)と連系設備だけをフェンスで囲んでいる。発電した電力は、トランスで6.6kVに昇圧して館林工場の構内系統に送電している。
EPC(設計・調達・施工)サービスは、三菱電機と三菱電機システムサービスが担当し、太陽光パネルは三菱電機製の単結晶シリコン型(300W/枚)、PCSは東芝三菱電機産業システム(TMEIC)製の定格出力1.25MWの機種を導入した。三菱電機は、計画段階から設計・施工までワンストップで提供し、運営・保守も担当している(図5)。
コンクリート製の置き基礎に鋼製の架台を設置し、太陽光パネル4242枚を取り付けた。工業用地内のメガソーラーというと、一般的には平坦な土地に容易に建設できることが多いが、館林工場内の建設では、大規模な地盤改良が必要になった(図6)。
というのは、同工場の区画は、もともと湿地性の土地だったため、軟弱地盤で現在でもわずかながら地盤沈下が続いている。そこで、「コロンブス工法」という地盤置換工法を採用した。これは、建築物の基礎下の土を取り除いて、発泡スチロールなどを混ぜた地盤材を敷き詰め、地盤と建物荷重のバランスを調整する土木工法だ。
館林工場のメガソーラーでは、パネル横置き3段のアレイ(パネルの設置単位)構成とし、4列を2つの基礎で支えている。この基礎の下を地盤置換工法で安定化させた。さらに置き基礎と置き基礎の間に、長尺のC形鋼を渡して台枠とし、その上に架台を載せた。
こうすることで、仮に地盤に不等沈下が起きても、架台に不均質な応力がかかって、パネルが歪んだり、外れたりしないようにした(図7)。