探訪

先端的「自家消費メガソーラー」、DIC館林工場で稼働(page 6)

「蓄電池・逆潮流なし」でも「応答制御」で再エネ比率20%

2019/07/02 05:00
金子憲治=日経BP総研 クリーンテックラボ
印刷用ページ

設定値を変えて運用改善も

 館林工場内の太陽光発電設備は、稼働して約半年が経過し、順調に運用している。ただ、週末に1回だけ、RPRが動作して、PCSが停止したことがあったという。

 週末には、需要レベルが小さいなかで、生産設備の停止や立ち上げを行うことがあり、その場合、需要変動が大きく、それに対応した出力制御の難易度が高くなる。PRPが作動した日には、出力制御が急な需要変動に応答しきれなかったと見られる。

 三菱電機によると、PLCによる出力制御の良さの1つには、蓄積した需要データを分析することで、運用手法を改善していくことが可能なことという。そうした意味では、稼働1年目は、データを蓄積することも含め実証的な側面もあるという。

 出力制御の運用にあたっては、系統への逆潮流を回避するために、余裕を見て常に一定の買電量を確保しておくが、その限界値や目標値をどこに設定しておくか。また、PCSへの出力指令を、どの程度の幅で行うかなど、あらかじめ設定しておく値がある。例えば、出力指令は、現在、PCS定格出力の1%(12.5kW)刻みで行っているという(図11)。

図11●昼間の出力抑制制御のイメージ
(出所:三菱電機)
クリックすると拡大した画像が開きます

 24時間・365日の需要データ、太陽光の供給データが蓄積されていくと、買電量を最少化して、太陽光電力を最大活用できる運用を探求することで、投資効率を高めていくことも可能という。

 実は、今回、三菱電機がDIC館林工場の自家消費太陽光に導入した制御システムは、「SMART-LiCO」と名付けた蓄電池付き太陽光発電向けのEMSの機能を応用したものだ。同システムは、太陽光発電と定置型蓄電池、EV(電気自動車)の各PCSを一元的に管理して、CO2削減やBCP(事業継続計画)対策として最適運用できる(図12)。

図12●蓄電池付き太陽光発電向けEMS「SMART-LiCO」
(出所:三菱電機システムサービス)
クリックすると拡大した画像が開きます

 このため館林工場にも、今後、蓄電池やEVを導入して、自家消費型メガソーラーと一元的に管理する仕組みに拡張していくことも容易だ。

●設備の概要
発電所名DIC館林工場太陽光発電設備
住所群馬県館林市大島町東部工業団地6023(DIC館林工場内)
発電事業者DIC
土地所有者DIC
出力太陽光パネル・出力1.2726MW、パワーコンディショナー(PCS)・定格出力は1.25MW
年間予想発電量130万8704kWh
EPC(設計・調達・施工)サービス三菱電機、三菱電機システムサービス
O&M(運用・保守)DIC、三菱電機システムサービス
太陽光パネル三菱電機製単結晶シリコン型(300W/枚・4242枚)
PCS東芝三菱電機産業システム(TMEIC)製(定格出力1.25MW・1台)
架台コンクリート製置き基礎、鋼製架台
完工日2019年2月
  • 記事ランキング