浮島のメガソーラーは、地球温暖化、再生可能エネルギー、資源循環の3つのテーマを中心とする広報・教育用施設と隣接している。電力消費やCO2排出の多い工業都市ならではの共同事業で、こうした視点から見ると、絶好の立地ともいえる。首都圏からの交通アクセスが良い上、羽田空港と海を挟んで向かい合う位置にある。離陸後や着陸間近の飛行機から、メガソーラーが見える(図2)。
浮島のメガソーラーが建つのは、ごみの焼却灰を埋め立てた土地である。埋め立てが終わった後の20年間の浄化期間中の土地の有効活用として、川崎市が東京電力(現・東京電力HD)に提案し、メガソーラーの用地となった。
川崎市によると、この土地は、廃棄物処理法(廃掃法)によって、土地が浄化されるまでは建物の建築などが制限されており、「建築物」に該当しない太陽光発電所は、理想的な活用法だった(関連コラム:川崎・浮島、臨海工業地帯で飛行機が飛び交う発電所)。
東電HDとっては、電力供給設備としては、初のメガソーラーとなった。また、FITの開始後に、さまざまな地域の地方自治体が、廃棄物の最終処分場跡地に開発し始めた、いわゆる「処分場太陽光」の先駆けとも言える。