探訪

北海道初の「蓄電池併設型」、松前で国内最大風車が稼働(page 2)

充放電制御で発電計画に沿った送電を実現

2019/07/16 06:22
金子憲治=日経BP総研 クリーンテックラボ、
印刷用ページ

タワー内にはエレベーター装備

 今年5月30日、「リエネ松前風力発電所」の竣工式と視察ツアーが開催された。バスで発電施設を見学した後、松前公園内の神社で神事が執り行われた。

 風力発電設備は、国道228号に沿って山側に並んでおり、最も南に連系変電設備と蓄電池システム(電力貯蔵装置)、そこら北に向かい館浜地区から清部地区の約15kmにわたって、1号機から12号機までの風車が丘陵に点々と配置されている。

 見学したのは、このうち7号機の風車、そして連系変電設備と蓄電池システムだ。7号機は、町営牧場に隣接しており、牛が傍らで草を食べている。長さ54mのブレードの影が、牧草地に巨大な影を落とし、ゆっくりと回転している様子は、まさに壮観だ(図2)。

図2●隣接した牧場には、巨大風車の影が・・・
(出所:日経BP)
クリックすると拡大した画像が開きます

 7号機では、建設中に地元の小学生が見学に訪れ、組立前に地上にあったナセル(発電機など収納しているタワー上の筐体)に思い思いに落書きをしたという。しかし、いまや94mの上空にあり、下から眺めても、「落書き」はまったく見えない(図3)。

図3●タワーの高さは94m、ブレードの回転直径は108mに達する
(出所:日経BP)
クリックすると拡大した画像が開きます

 視察ツアーでは、風車のタワー下の入り口を開けて公開した。扉を開けると地上の機械室になっていて、PCSと昇圧器がある。上空のナセル内の発電機で生み出した電気は1000Vでタワー下に送電し、昇圧器で2万2000Vに昇圧して連系変電所に送られる(図4)。

図4●タワー下の扉を開けると機械室がある
(出所:日経BP)
クリックすると拡大した画像が開きます

 このクラスの大型風車になると、タワー下からナセルまで、点検・保守の度に階段で上るのは体力的に限界になってくる。そこで、小型のエレベーターが装備されている。タワー地上の機械室には、エレベーターへの乗降口にもなっている(図5)。

図5●ナセルにはエレベーターを使って上がる
(出所:日経BP)
クリックすると拡大した画像が開きます

 大型の風力発電設備は、工場から設置場所までの搬送が課題になる。今回の場合、ナセルとブレードはデンマークから、タワーは5分割して中国の上海から、船積みで輸送して、北海道の江差港で陸揚げした。組み立てには1200tクレーンを使ったという。

  • 記事ランキング