探訪

北海道初の「蓄電池併設型」、松前で国内最大風車が稼働(page 3)

充放電制御で発電計画に沿った送電を実現

2019/07/16 06:22
金子憲治=日経BP総研 クリーンテックラボ、
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1ユニット2MWのNAS電池

 連系変電所と蓄電池システムは、同じ敷地内にある。加えて、SCADA(監視制御システム)室や部品庫、事務室などを備えた管理棟も敷地内に併設した。

 NAS電池は、1台・2MW のユニットを9台、設置した。1台の蓄電池ユニットごとに合計出力2MWのPCSで充放電制御する仕組みだ。通常の太陽光発電用PCSでは、太陽光パネルからの直流を交流に変換するだけだが、蓄電池用PCSの場合、充電と放電を制御するため、風車からの交流を直流に変換する機能と、蓄電池からの直流を交流に変換する機能を合わせ持つ双方向型のPCSになる(図6)(図7)。

図6●日本ガイシ製のNAS電池
(出所:日経BP)
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図7●TMEIC製の蓄電池用PCS
(出所:日経BP)
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 風車と蓄電池の連係は、風車からの交流と蓄電池からの交流を合わせた合成出力を北海道電力の系統に送電する「ACリンク」という方式になる。変動する風力発電の出力を蓄電池への入出力で補うことで、秒単位の短周期変動を平滑化しつつ、時間単位の長周期変動を平準化することで、北電の系統運用に対する負荷を軽減している。

 具体的には、事前に一定の変動率内に出力変動を抑えた発電計画(送電計画)を策定して北電に提出しておき、それに沿うように蓄電池を充放電制御する。管理棟内のSCADA室には、こうした蓄電池の運用をリアルタイムで監視するモニターがあり、視察ツアーでも公開された(図8)。

図8●SCADA室にある遠隔監視画面
(出所:日経BP)
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