探訪

「平成30年豪雪」に除雪せずに耐えた富山のメガソーラー(page 6)

「処分場太陽光」で積雪対策、荷重制限にどう対応? 

2019/07/23 06:00
加藤 伸一=日経BP総研 クリーンテックラボ
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 運用をはじめてから、想定外の積雪に見舞われたこともある。2017~18年の冬は、日本海側の各地で「平成30年豪雪」と呼ばれる大雪が続いた。この大雪では、架台がつぶれるなどの被害が生じた太陽光発電所も目立った。

 その中で、富山新港のメガソーラーは、損壊などはなかった。積雪による荷重への対応を重視した設計が奏功したとみている。

 しかし、続けざまに2回ほど、一晩の間に想像以上の量の積雪が続いたことで、地上にたまった雪が、太陽光パネル低部までつながってしまった。この際、富山県企業局では、除雪などをせずに様子を見続けた。というのは、こうした状況を放置した場合、どのような結果になるのか、把握したかったからである。

 この結果、発電量には影響があったものの、アレイや太陽光パネルは損壊しなかった。

 富山県企業局が心配していたのは、下段の太陽光パネルほど、雪が滑り落ちるときに荷重が多くかかるため、下に引っ張られる力が働き、壊れてしまうパネルが出てくるのではないか、という懸念だった。結果的に、無事だった。

 通常の積雪量は、海に近いこともあって、県内のほかの地域に比べると、比較的少ないという。

 北陸に特有の冬季雷の影響とみられる送電線の停電によって、稼働がとまることも経験したが、売電事業に深刻な影響を与える回数ではないとしている。

 冬季雷は、日本海側に特有の雷で、冬の間、寒冷前線に沿って発生し、夏の雷に比べて、100倍以上の電気エネルギーに達することがある(関連コラム:夏の雷の100倍のエネルギーで直撃する「冬季雷」)。

 経済産業省は、該当する地域の風力発電所に関しては、冬季雷に対する特別な対策を求めている。

 また、富山市八尾町に立地しているメガソーラーでは、冬季雷によると推測されている損傷として、太陽光パネルのカバーガラスが割れ、大きくたわむという被害が起きている(関連コラム:北陸特有の強烈な「冬季雷」が直撃!? 富山市八尾のメガソーラー

●発電所の概要
発電所名富山新港太陽光発電所
所在地 富山県射水市有磯
土地所有者   富山県
設置面積6万9579m2
発電事業者富山県企業局
太陽光パネル出力  5.25096MW
連系出力4.500MW
年間予想発電量4806MWh
(一般家庭約1300世帯の消費電力に相当)
固定価格買取制度(FIT)上の売電単価32円/kWh(税抜き)
整地工事分家工業
基礎・架台工事四方組、竹沢建設、分家工業、牧田組
電気工事新栄電設
自営線工事菅原電気
O&M(運用・保守)富山県企業局
太陽光パネルネクストエナジー・アンド・リソース製
(多結晶シリコン型、出力255W/枚、2万592枚)
パワーコンディショナー(PCS)東芝三菱電機産業システム(TMEIC)製
(定格出力750kW・直流入力1000V対応機、6台)
自営線       約2.9km(電柱74本)
売電開始2016年3月
売電先  北陸電力

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