探訪

5種類の防草シートを大熊町で検証、稼働3年目の違いは?(page 4)

刈り払い機のエリアも隣接し、経済性を機械除草と比較

2019/07/30 05:00
金子憲治=日経BP総研 クリーンテックラボ
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「テープはがれ」は見られず

 「メガソーラービジネス」では、「ふるさと再興メガソーラー」が稼働して約半年後の2016年春に現地を訪れて、「メガソーラー探訪」で取り上げた。今回、それから3年後の状況を取材するため、2019年6月に現地を訪れた。

(1)の「PET製長繊維不織布に耐候性樹脂コーティングしたタイプ」のエリアは、施工当初、ピン頭部に貼り付ける粘着テープが、はがれかかっているものがあったが、その後、施工し直し、今回の取材時には、はがれている箇所はなかった。シート表面に土が積もり、そこにコケや草が生えているのが目立つが、これは、このエリアがサイト内で最も低く、雨水が溜まりやすく、それに伴って土が残るためと考えられる(図6)(図7)。

図6●「PET製長繊維不織布に耐候性樹脂コーティングしたタイプ」・稼働して6カ月後
(出所:日経BP)
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図7●同タイプ・稼働して3年半後
(出所:日経BP)
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(2)の「PP製の長繊維不織布」のエリアは、シートの固定方法に特徴があり、円形の樹脂製押さえカバー(ワッシャー)の上から鋼製のL型アンカーピンを突き刺してシートを押さえている。アンカーピンが錆び始めているが、固定する機能に問題はないという。ワッシャー付近に溜まった土から草が生えている箇所があるが、シート下からに出てきたわけではないので、根が浅く引き抜くとすぐに除草できた(図8)(図9)。

図8●「PP製の長繊維不織布」・稼働して6カ月後
(出所:日経BP)
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図9●同タイプ・稼働して3年半後
(出所:日経BP)
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(3)の「PET製の柔不織布とPET製の高密度不織布を組み合わせたタイプ」のエリアは、(1)と同様に固定ピンに粘着テープを張ることでピン穴をカバーしている。3年前には、杭との隙間からヨモギの葉がはみ出している箇所があったが、今回は「草のはみ出し」はなく、パネル下に土が溜まってコケが生えている箇所が散見された(図10)(図11)。

図10●「PET製の柔不織布とPET製の高密度不織布を組み合わせたタイプ」・稼働して6カ月後
(出所:日経BP)
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図11●同タイプ・稼働して3年半後
(出所:日経BP)
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(4)の「PET製の高密度織物」は、コストがほかのシートの3分の1と最も安価で、敷設した5種類のなかでは唯一の「織物」になっている。そのためか、施工当初、刀状葉のとがった先端がシートの下から突き抜けている部分があったが、今回は、そうした「突き抜け」は見られず、(3)エリアと同様、パネル下に土が積もってコケと背の低い草が生えている箇所があった(図12)(図13)。

図12●「PET製の高密度織物」・稼働して6カ月後
(出所:日経BP)
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図13●同タイプ・稼働して3年半後
(出所:日経BP)
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(5)の「PET製の長繊維不織布」のエリアは、施工面でテープを効果的に使っているのが特徴だ。固定ピンの上だけでなく、シートとシートの重ね部にもテープを張っている。3年経っても、こうしたテープに「はがれ」はなく、シートとシートの境界は適切に保たれている(図14、図15)。

図14●「PET製の長繊維不織布」・稼働して6カ月後
(出所:日経BP)
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図15●同タイプ・稼働して3年半後
(出所:日経BP)
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