探訪

5種類の防草シートを大熊町で検証、稼働3年目の違いは?(page 5)

刈り払い機のエリアも隣接し、経済性を機械除草と比較

2019/07/30 05:00
金子憲治=日経BP総研 クリーンテックラボ
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シート上に土がたまりコケが…

 O&M(運営・保守)を担っている福島発電・浜通り事務所の担当者によると、「稼働以来、防草シートを施工したエリアは1回も除草していないが、土が溜まった場所に小さな草が生える程度で、大きな草は生えていない。これまでのところシート自体に損傷はなく、10年程度は十分に持ちそうだ」と見ている。

 シート上に土が溜まりやすい場所は、シートの材質や構造とは無関係で、サイト内での位置に起因しているという。相対的に低く、雨水が溜まりやすい部分に土が溜まってコケが生え、それによってさらに土が溜まりやすくなるようだ。全体的にパネル下に土の堆積が目立つのは、日陰でコケが生えやすいからと考えられる(図16)。

図16●雨が降ると東側の低地エリアに水が溜まりやすい
(出所:日経BP)
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 見学した際に、シートを固定するピンの間際から数十cm程度のヨモギが生えていたケースもあったが、引っ張ると簡単に抜けた。これは、根がシート下の地面まで届いていないためで、シートの下から芽を出したのではなく、シートの上に落ちた種が、わずかに土が積もったピン周辺で発芽して伸びたからだと推察される(図17)。

図17●雑草はシートの上だけに根を張っているため、すぐに引き抜ける
(出所:日経BP)
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 3年前のシート施工当初、杭基礎と境やシート接合部から草が出ていたり、織布タイプに草の突き抜けが見られたが、今回はほとんどなかった。これは、シート施工者が定期的に点検して補修するなど、保守体制がしっかりしていることを物語る。

 福島発電によると、シート施工業者とは、施工後の定期的な保守・点検について決めていないが、比較可能な複数社による検証サイトのため、自主的に点検・保守に来ているという。防草シートの機能を維持するには、施工後の保守が重要だけに、「ふるさと再興メガソーラー」の防草機能が順調に保たれているのは、こうした適切な保守の効果も大きいと思われる。

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