三重県津市の伊勢湾近くの川沿いに、太陽光パネルの出力が4.5408MW、パワーコンディショナー(PCS)の出力が3.58MWのメガソーラー(大規模太陽光発電所)「津 栗真町屋メガソーラー発電所」がある(図1)。津市栗真町屋町に立地し、2015年10月7日に運転を開始した。
通常、連系出力が2MW以上のメガソーラーは、特別高圧送電線に連系する。しかし、このメガソーラーは、特別高圧送電線ではなく、6.6kVの高圧配電線に接続している。中部電力との連系協議でこのように指定され、事業面で大きな利点となった。
発電事業者は、三重交通グループホールディングスの事業会社である三交不動産(津市)である。
同社は、地元の三重県内に限定して太陽光発電所を数多く開発・運営しており、24カ所、合計出力約89MWに達している(関連コラム1:三重で特高メガソーラーを相次ぎ稼働、「統括事業所」による管理を模索、同コラム2:伊勢・二見の分譲住宅地のメガソーラー、防災訓練で地域が活用、同コラム3:アレイ列間を1mに詰め、発電量を最大化した松阪市のメガソーラー)。
県外の地域で土地を紹介されたこともある。しかし、20年間の運用において、遠隔地では手が行き届かないと考え、事業化を見送った。
施工や設備については、ほぼすべての太陽光発電所で一貫して同じ企業と取り組み、関係を深めてきている。EPC(設計・調達・施工)サービスは千代田化工建設が担い、太陽光パネルはソーラーフロンティア製、パワーコンディショナー(PCS)は東芝三菱電機産業システム(TMEIC)製を採用し続けている。
例外的に、EPCでは大林道路と早水電機工業(神戸市)による共同事業体、PCSでは台湾のデルタ電子や中国の華為技術(ファーウェイ)の小型機を導入し、いわゆる分散型を採用した案件もある。