探訪

チェーン製造を守る、飯能の屋根上の自家消費型メガソーラー

新工場棟の稼働後、特高の契約電力は増えない利点も

2019/08/27 05:00
加藤 伸一=日経BP総研 クリーンテックラボ
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 埼玉県飯能市に、自動車部品メーカーである椿本チエインの埼玉工場がある。この埼玉工場内で7月、自動車部品の製造を担う新たな工場棟「新テンショナー工場棟」が竣工した(図1)。

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図1●上の画像の真ん中が竣工した新棟
(出所:上は椿本チエイン、下は日経BP)
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 椿本チエインは、大阪に本拠を置く。主力製品は、自動車のエンジン用のタイミングチェーンシステムである。同市場において、世界シェアは37%でトップという。

 国内では埼玉工場のほか、京都府京田辺市と長岡京市、兵庫県加西市、岡山県津山市の5カ所、海外では米国、英国、タイ、中国、韓国、メキシコ、チェコの合計8カ国・12カ所の工場で製品を製造し、埼玉工場はマザー工場の役割を担っている。

 竣工した「新テンショナー工場棟」では、棟の名の通り、テンショナーと呼ばれる、自動車エンジン用タイミングチェーンの振動抑制に使用される部品を製造する。量産の開始は、12月を予定している。

 新工場棟は、同社にとってモデル工場と位置づけている。生産性の向上だけでなく、省エネや災害対策、働きやすさなど、今後求められるさまざまな要素を意欲的に導入した。その成果を今後、世界各地の工場にも展開していきたいとしている。

 屋根上には、3318枚、出力約1MW分の太陽光パネルが並んでいる。同棟の太陽光発電システムは、7月の竣工と同時に稼働している。

 発電電力は、埼玉工場内の構内系統に高圧で連系し、自家消費される。現在は敷地内の別の棟ですべて消費している。新工場棟が12月に量産を開始して以降は、ほぼ同棟内で自家消費し、例外的に所内の他の施設で使う予定である。

 EPC(設計・調達・施工)サービスは、工場棟と同じフジタに委託した。太陽光パネルは、韓国のハンファQセルズ製(305W/枚)を採用し、3318枚設置した(図2)。パワーコンディショナー(PCS)は、東芝三菱電機産業システム(TMEIC)製の定格出力500kW機を2台設置した。年間発電量は、94万7324kWhを見込んでいる。

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図2●PCS(左下)や連系設備(右下)も太陽光パネルと同じ屋根上に設置
(出所:日経BP)

 椿本チエインはこれまで、国内の2工場で太陽光発電システムを導入している。いずれも自家消費している。

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