探訪

発電事業者が町に公園を寄贈、地域から信頼される鳥取大山のメガソーラー(page 3)

古刹の町と外資系事業者が共感し共生を目指す

2019/09/10 06:00
加藤 伸一=日経BP総研 クリーンテックラボ
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 メガソーラーは、おもにガーデン付近の阿弥陀川沿いの豊房地区の細長い土地と、清水原地区の近辺の幅広い休耕地からなる。

 地主を代表し、メガソーラーの誘致に尽力してきた大山前畑の松原代表取締役によると、有効活用の起死回生策として、約40年前にリゾート地として整備するという「西の軽井沢化」構想が浮上し、地域全体が期待を膨らませた時期があった。

 しかし、この計画は頓挫した。理由は、大きく2つあった。1つは、オオタカなどが生息している地域だったことだった。オオタカは、希少野生動植物種に指定されて保護対象となった(2017年8月に保護対象からの解除が決定)。このため、オオタカへの配慮が開発上の制約となった。もう一つは、バブル経済の崩壊という、経済的な理由だった。

 ガーデンに近い、阿弥陀川沿いの土地は、面積が約11haある。阿弥陀川は、かつては度々氾濫し、「暴れ川」だった。こうした川のとなりにあり、残土処理場として使われた後、活用が課題となっていた。

 ここから約1km離れた清水原地域のメガソーラーは、休耕地を活用した。面積は約34ha。農地としての活用を試みられてきたものの、難しかった。地元地域にとって、有効活用が望まれていた土地だったことから、メガソーラーの開発にあたり、農業振興地域の整備計画からの除外や、農地転用手続きなどは、地域が主導して進んだ。

 大山前畑の松原代表取締役によると、メガソーラーの開発は、地元地域のこうした意向に加えて、ジェフ・ロイ代表取締役が率いるカナディアン・ソーラー・プロジェクトの開発の取り組み方や思いに共感できたことが、成功に繋がったのではないかとしている。

 ジェフ・ロイ代表取締役は、「大山は、故郷のカナディアン・ロッキーに似ていて、懐かしい」とよく口にし、地域への親近感を示していた。また、発電事業者との土地関連の契約には、発電事業の終了後に設備の撤去費用を、全額積み立てることを含んでいた。こうした企業姿勢が好感を持って受け入れられたようだ。

 大山カナディアン・ガーデンにある、日差し 兼 モニュメントのような四角いコンクリート構造物は、「逆さ大山」を模ったものだと、ジェフ・松原両代表は語る。

 ジェフ・ロイ代表取締役は、「贈呈したガーデンからは、春は桜、日々の大山、冬は隠岐島まで展望できる。ここで、地域の皆さんが、眺望を楽しみながら日々、懇親を深めていくことで、われわれも末長く地域の一員であり続けたい」としている。

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