探訪

30社のパネルが並ぶ「福島空港メガソーラー」の6年、発電量に違いは?(page 6)

年間に1000人もの見学者を受け入れ、「レモン電池」実験も

2019/09/17 05:00
金子憲治=日経BP総研 クリーンテックラボ、
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太陽電池の後は「レモン電池」

 「福島空港メガソーラー」の見学者は、事前に予約して訪れ、阿部さんなど福島発電の担当者が解説しながら案内したケースだけでも昨年、約800人だった。稼働当初は年間1000人以上が予約見学していたことと比べると減少気味だが、それでも自由見学を加えると年間1000人を超える人たちが、訪れていると見られる。

 見学者には、県外、さらには海外からの視察も多いという。今年7月26日には、JICA(国際協力機構)を通じて11人が視察に訪れた。参加者は、世界的にも珍しい木製架台やFRP製架台について興味を示しつつ、太陽光の台風対策や日本における太陽光発電のコスト動向、メガソーラーの工期などに関して、熱心に質問していた(図13)。

図13●海外からの視察も多い
(出所:日経BP)
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 また、7月30日には福島県喜多方市の公民館が主催・募集した環境学習イベントで約20人の小学生が福島空港を訪れ、メガソーラーを見学後、「レモン電池」を作った。

 まず、メガソーラーの見学では、太陽光発電の説明の後、検電器と放射温度計を使って、太陽光パネルの電流や太陽電池セルが発熱している状態を測定するなど、太陽光発電所の点検業務を体験した。当日の検査ではパネル表面は60度近くになっていた(図14)。

図14●太陽光発電所の点検業務を体験した
(出所:日経BP)
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 見学の後は、福島空港ビルにあるセミナールームで4グループに分かれて、「レモン電池」を作り、電池の実験を通じて、発電の仕組みを勉強した。

 「レモン電池」とは、レモンに銅板とアルミニウム板など異なる金属板を差し込んで、電線をつなぎ、電球などを点灯させるもの。電位差のある2枚の金属板が電極、酸性であるレモン果汁が電解質になって、イオンを溶かして電流が流れる。

 今回の実験では、金属板をキッチンペーパーで挟んで電極間の間隔を狭め、レモン果汁の内部抵抗を減らしたり、食塩を加えたりして、小学生による実験でも、うまく発電できるように工夫していた(図15)。

図15●グループに分かれて1人1個、レモン電池を作った
(出所:日経BP)
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 一般的に「レモン電池」は4個を直列につなげばLED電球が点くという。ただ、当然ながら1カ所でも接触不良などがあれば、通電しない。今回は、グループ全員の5個のレモン電池を直列につないだが、そう簡単には点かなかった。先生役の福島発電社員の助けにより、最後には4グループ全部でLED電球が点灯した(図16)。

図16●5個の「レモン電池」を直列につないでLED電球が点灯した
(出所:日経BP)
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 「福島空港メガソーラー」では、希望に応じて、こうした座学講習も提供しており、太陽光発電の見学と合わせ、環境学習の効果や発電の仕組み理解を高めている。

●施設の概要
名称福島空港メガソーラー
住所福島県石川郡玉川村大字北須釜字懸金沢16番地(福島空港)
出力約1.2MW(福島空港北発電所500kW、ソーラーパーク169kW、追尾型太陽光システム22.5kW、福島空港南発電所501kW)
発電事業者福島発電(福島市)
総事業費約4億円(県民参加型ファンド1億円)
EPC(設計・調達・建設)ユアテック
太陽光パネル(ソーラーパーク)伊藤組モテック、トワダソーラー、エスパワー、GMG、三菱電機、京セラ、パナソニック、カネカ、フジプレアム、シャープ、長州産業、ジャパンソーラーファクトリー、東芝、ソーラーフロンティア、カナディアンソーラー、インリーグリーンエナジー、アップソーラー、ソプレイソーラー、トリナ・ソーラー、ハレオンソーラー、レネソーラー、トッパーサン、デルソーラー、ソーラーワールド、モーザーペア・ソーラー・リミテッド、LS産電、ハンソル・テクニクス、RECソーラー、イソフォトン、サンエジソン(社名は建設時点のもの)
架台奥地建産、日創プロニティ、AGCマテックス、セテック、大日本木材防腐、SUS
パワーコンディショナー(PCS)東芝三菱電機産業システム(TMEIC)、田淵電機、オムロン、KACO
竣工日2014年4月14日
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