探訪

北陸最大のメガソーラー、「直流1500V」でコスト下げて効率アップ(page 4)

ファースト・ソーラーが開発とO&Mを担う

2019/10/01 05:00
金子憲治=日経BP総研 クリーンテックラボ
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直流1500Vでコスト削減

 米ファースト・ソーラーは、世界有数の太陽光パネルメーカーで、同社製の化合物系太陽電池は、一般的な結晶シリコン系に比べて製造時に排出する二酸化炭素が少ないことが特徴。世界各国で、メガソーラー開発と建設にも取り組んでおり、太陽光発電のEPC事業者としても世界最大規模の実績を持つ。日本法人のファースト・ソーラー・ジャパンは、メガソーラー開発のほか、完成後のO&Mも手掛けている。

 同発電所は、太陽光パネルとPCSなどに1500V対応製品を採用し、直流側の回路構成を1500V仕様で設計した。国内のメガソーラーでは、固定価格買取制度(FIT)スタート時、直流600V仕様が一般的だったが、数年前から1000V仕様の設計も増えていた。「石川沢川太陽光発電所」では、さらに直流電圧を上げ、1500Vの最新技術を採用することで、システム効率の向上と工事費の削減を実現した。

 採用した太陽光パネル「シリーズ4」は、公称最大出力120W、公称最大出力動作電圧70.8V、公称開放電圧88.7V。このパネルを15直列・5並列で1ストリング・75枚の回路構成にした。そして、14回路を1つの接続箱に入力している(図8)。

図8●15直列・5並列で1ストリング・75枚の回路構成にした
(出所:日経BP)
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 薄膜系の太陽光パネルは、結晶シリコン系に比べて1枚当たりの電圧が高いため、1500V仕様との相性がよいという面もある。1ストリングの回路に並列が加わるため、3分岐コネクターによって効率的に施工するなどのノウハウが蓄積されてきたという。

 メガソーラー設計における直流(パネル)側の高電圧化は、送電ロスの低減によるシステム効率の向上ほか、ストリング枚数の増加による工期短縮やO&Mコストの削減につながる。加えて、EPCを担当したレイズネクストによると、「高電圧化により同じ電力量を送るのにケーブルを細くできる利点も大きい。ケーブルの細線化により、線材や施工コストが低減する」と言う。

 ここ数年、国内の太陽光関連設備メーカーも、直流1500V対応の機器を製品化しているが、「石川沢川太陽光発電所」が着工した当初は、1500V対応の早かったTMEIC製のPCSを除いて、電設部材のほとんどは海外製しかなかったという。同発電所でも接続箱はドイツ・ワイドミュラー製を採用している(図9)。

図9●独ワイドミュラー製の接続箱
(出所:日経BP)
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 また、完成後のO&Mを手掛けるファースト・ソーラー・ジャパンによると、定期点検に必要な検査機器に関し、当初1500V対応製品が少ないという課題もあったが、ここにきて、複数メーカーが1500V対応の検査機器を製品化しているという。

 

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