探訪

北陸最大のメガソーラー、「直流1500V」でコスト下げて効率アップ(page 5)

ファースト・ソーラーが開発とO&Mを担う

2019/10/01 05:00
金子憲治=日経BP総研 クリーンテックラボ
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自営線が3つの橋を渡る

 「石川沢川太陽光発電所」は、太陽光パネルからの直流1500Vの電流を、中間変電所でまず交流2万2000Vに昇圧する。25カ所の中間変電所から第1変電所に送られ、そこでさらに6万6000Vに昇圧後、11.5kmの自営送電線を経て、第2変電所で15万4000Vに昇圧して、北陸電力の特別高圧送電線に連系して、売電している。11.5kmもの自営線は、県道75号線の舗装下に地中埋設した(図10)。

図10●北陸電力と接続する連系変電所
(出所:ファースト・ソーラー・ジャパン)
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 ファースト・ソーラー・ジャパンの平澤憲・エンジニアリング部プロジェクトマネージャーによると、「石川沢川太陽光発電所」では、太陽光パネルの設置工事と並んで、11.5kmもの自営線の敷設もプロジェクト実現の大きなポイントになった」と振り返る。

 というのは、自営線を敷設する県道75号線のルートの途中に、河川にかかる3つの橋があったからだ。県道の下にケーブルを地中埋設するには県から道路占有許可を得る必要がある。加えて、河川を越えたり、超える際に既存の橋を活用できるかどうかなどに関しては、道路占有許可とは別に、河川や橋を管理する自治体と協議することになる。

 平澤プロジェクトマネージャーによると、「自営線の敷設に際しては、地域住民などから理解を得られるよう、完成後の美観や景観などに配慮した」と言う。

 例えば、道路下への地中埋設では、ケーブルを埋めるために道路端を細長く掘り起こして敷設後、再舗装するのが一般的。だが、その場合、完成後には、道路端だけ新たな舗装面になって、道路の美観が損なわれる。

 そこで、今回は、ケーブル敷設工事の際、道路の片側車線全部を新しく舗装し直した。「地域住民からは、道路がきれいになったと好評」と言う(図11)。

図11●ケーブルの埋設工事の際、道路の片側車線全部を舗装し直した
(出所:ファースト・ソーラー・ジャパン)
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 一方、河川を超える際、ケーブルが目立たないように、橋桁の裏側に敷設することを目指したものの、小さな橋の場合、橋の強度を維持するため、こうした手法が使えなかったという。そこで、橋桁のすぐ脇に新たに配管を渡して、そのなかにケーブルを通した(図12)。

図12●11.5kmの自営線は3つの橋を渡る
(出所:ファースト・ソーラー・ジャパン)
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 実際の工事段階では、11.5kmの敷設ルートには5つもの自治会が関わってくることから、それぞれと協議して、工事日程や車線規制などに理解を求めていったという。

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