探訪

「農地」「短周期対策」の壁を克服した北海道知内町のメガソーラー

農山漁村再エネ法で「農転」、蓄電池併設で「短周期変動緩和」

2019/10/29 05:00
金子憲治=日経BP総研 クリーンテックラボ
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近くに「青函トンネル」出入り口

 北海道渡島半島の南西に位置する知内町は、東を津軽海峡に面して平野が広がり、三方を山々が囲む。「青函トンネル」の出入り口があり、北海道新幹線が津軽海峡の海底下を駆け抜け、トンネルを出ると、乗客はまず知内町の豊かな自然を目にすることになる(図1)(図2)。

図1●知内町には「青函トンネル」の出入り口がある
(出所:日経BP)
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図2●「青函トンネル」出入り口を眺める展望台がある
(出所:日経BP)
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 今年8月1日、青函トンネルの出入り口となった同町湯ノ里地区に、出力24MWのメガソーラー(大規模太陽光発電所)「知内メガソーラー20M発電所」が運転を開始した。8月29日には、竣工式が開催され、発電事業者や工事関係者のほか、知内町など地域関係者も多く参加して、完成を祝った。

 発電事業の主体は、オリックスとソーラーフロンティアが6対4の比率で出資して設立したSPC(特別目的会社)・合同会社はやてソーラーとなる。同SPCが知内町の所有する事業用地を賃借して発電事業を行う。太陽光パネルの出力は約24MW、パワーコンディショナー(PCS)の出力(連系出力)は約17.5MWに達する。加えて、出力12.5MW、容量7.2MWhの蓄電池を併設している。

 EPC(設計・調達・施工)サービスは東芝プラントシステムが担当し、太陽光パネルはソーラーフロンティア製、PCSは太陽光発電用、蓄電池用とも、東芝三菱電機産業システム(TMEIC)製を採用した(図3)。

図3●「知内メガソーラー20M発電所」
(出所:日経BP)
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 「知内メガソーラー20M発電所」が、完成に至るまでには、大きく2つの壁があった。1つ目は、事業用地が第1種農地だったため、発電事業を行うには農地転用する必要があったこと。2つ目は、北海道電力との系統連系に際して、短周期変動対策として蓄電池の併設が必須となったことだった。

 通常、第1種農地を太陽光発電事業のために農地転用することは認められない。また、固定価格買取制度(FIT)の下であっても、太陽光に蓄電池を併設すると初期投資が膨らみ、一定の投資収益性を確保することは難しくなる。

 知内町と発電事業者は、こうした高い壁をいかにして克服したのだろうか。

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