探訪

八雲町に姿を現した国内最大の「蓄電池併設メガソーラー」(page 4)

放牧場跡地に102MWのパネルと52MWの蓄電池を設置

2019/11/12 05:00
金子憲治=日経BP総研 クリーンテックラボ
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「変動率毎分1%」を蓄電池で対応

 蓄電池を併設したのは、2015年4月に北海道電力が公表した「太陽光発電設備の出力変動緩和対策に関する技術要件」に対応するため。この要件では、メガソーラー出力の変動幅を、蓄電池の充放電との合成出力で、1分間にPCS定格出力の1%以内に収める「変動率毎分1%」を求めている。TMEICの制御システムにより、この要件に対応するようにメガソーラーと蓄電池のPCSを連係制御する。

 再エネに併設する蓄電池に関しては、導入費の一部を国からの補助金で賄えるケースも多いが、今回は、こうした補助金制度を活用していない。

 加えて、同発電所は、北海道電力管内の「30日等出力制御枠」を超えて以降の接続申し込みとなったことから、「無制限・無補償の出力抑制」が系統接続の条件となった。今後、道内の再エネ導入がさらに進んだ場合、北電から年間30日を超える出力抑制の指令が課される可能性があり、発電事業の事業性にリスクが増すことになる。

 「蓄電池のコスト負担」に加え、「無制限の出力抑制」といった事業リスクを抱えながらも、今回は、プロジェクトファイナンスの組成に成功した。

 こうした背景には、将来の出力抑制に関する評価・分析が進んできたことに加え、蓄電池システムの低コスト化がある。また、通常、「変動率毎分1%」の連系条件の場合、PCS出力の8割程度の蓄電池出力(kW)が目安とされているが、今回は7割程度となっている。それが実現できたのは、メガソーラーと蓄電池のPCSが同じTMEIC製で、メガソーラー出力と蓄電池の充放電を統合制御する「TMBCS(TMEIC蓄電池コントロールシステム)」を採用したことも大きい(図5)。

図5●TMEICが蓄電池システムと制御システムを構築
(出所:日経BP)
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