探訪

「ヌートリアがかじって短絡」、「池の修繕中の発電は可能?」、加東市の水上太陽光(page 3)

発電量は上ぶれ、台風の襲来にも安全性は良好、接続箱は陸上に

2019/11/19 06:00
加藤 伸一=日経BP総研 クリーンテックラボ
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 太陽光パネルを水上に浮かべるフロート架台は、タキロンエンジニアリング(大阪市北区)製を採用した(図4)。同社製を選んだのは、FIT以前に日本コムシスがEPCサービスを担当した水処理施設に設置した太陽光で、タキロンエンジニアリングの関連部材を採用し、その品質を高く評価していたことがきっかけだった。同社の製品化したフロート架台を使った場合の事業性や長期信頼性などを検討し、採用を決めた。

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図4●アルミ架台を樹脂の部材で浮かべたような構造のフロートを採用
(出所:日経BP)
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 コムシスクリエイトの加東市の3つの池だけでなく、西日本最大規模である広谷池の水上メガソーラーのEPCサービスでも、タキロンエンジニアリング製を提案して受託した。

 タキロンエンジニアリングのフロート架台は、一般的な地上設置タイプに似たアルミ架台のような部材を樹脂の部材を使って水上に浮かべる構造になっている(関連コラム:上下水道への「ふた」が起点に、安定・信頼性が武器のフロート)。仏シエル・テール・インターナショナル製のフロート架台のような、ほぼ樹脂製部材のみで構成する製品とは、大きく異なる。

 レールのように細長いアルミの支柱を縦横に組み、「浮き」のような役割を担う樹脂製の中空部材を取り付ける構造になっている。地上設置型の架台と同様、設置角に傾けた部材に太陽光パネルを固定する。

 9枚ごとなどを1つの単位として太陽光パネルを支えるユニットを組み、このユニット単位で池に浮かべる。ユニット単位で強固な構造となり、これを連結していくことで、池の上に浮かんだフロート全体が、さらに安定する。風や水の流れを受けても、大きく傾かない構造になっている。

 ユニットを連結した最後列には、白い板が覆っている。強風による吹き上げを防ぐために設置した防風板である(図5)。

図5●防風板は、台風の強風などによる吹き上げ対策
(出所:日経BP)
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 安定した構造に加えて、防風板の効果もあり、2018年秋に強風を伴う勢力の強い台風が上陸、通過した時も損壊はなかった。フロート架台では、ジョイント部分が構造上の弱点と指摘されることが多いが、びくともしていなかったという。

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