探訪

大型パワコンを池の上に浮かべた、香川の水上メガソーラー

国産品の信頼性にこだわりつつ、18円/kWhで事業性を確保

2019/12/03 01:00
加藤 伸一=日経BP総研 クリーンテックラボ
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 香川県高松市に近い、木田郡三木町にある「女井間(めいま)池」の水上に、9408枚の太陽光パネルが浮かんでいる(図1)。

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図1●女井間池のメガソーラー
連系に向けた最終調整が進んでいる。池の隣の土地を借りて、事務所や資材置き場、フロートの連結作業に活用できた(右下)(出所:上と2段目の左は三井住友建設、そのほかは日経BP)

 太陽光パネルの出力約2.822MW、連系出力1.99MWの水上メガソーラー(大規模太陽光発電所)「女井間池水上太陽光発電所」で、三井住友建設が開発した。2020年1月に予定されている系統連系を前に、施工の最終段階を迎えている。

 香川県は、兵庫県などと並んで農業用ため池が多い。水不足に備えるため、古くから多くのため池を築き、主に農業に活用してきた。女井間池も、こうした農業用ため池の一つである(図2)。

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図2●水田地帯にあり、池の歴史も古い
(出所:日経BP)
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 女井間池の近隣にも、多くのため池がある。三井住友建設が、この池で水上メガソーラーを開発するきっかけとなったのは、女井間池の近くにある「平木尾池」で、水上メガソーラーを開発・運営していることだった。

 平木尾池の水上メガソーラーは、太陽光パネルの出力約2.6MW、連系出力1.99MWと、女井間池の発電設備とほぼ同規模となっている。固定価格買取制度(FIT)に基づく売電単価は32円/kWh(税抜き:以下同)で、2017年11月に四国電力への売電を開始している(関連コラム:ハスと同居する香川・平木尾池の水上メガソーラー)。

 この平木尾池の水上メガソーラーの開発中に、水利組合から、女井間池でも水上を活用した太陽光発電所の開発を打診され、今回の事業化となった。

 女井間池の水上メガソーラーの売電単価は18円/kWhだが、同社では、平木尾池の水上メガソーラーと同じく、太陽光パネルは三菱電機製、パワーコンディショナー(PCS)は東芝三菱電機産業システム(TMEIC)製を採用した。国内メーカーの中でも性能と信頼性に定評がある一方、必ずしもコストメリットが大きいわけではない。

 太陽光パネルを水上に浮かべる部材であるフロートも、平木尾池の水上メガソーラーと同じく、自社製を採用した。こちらも「安全性や信頼性には自信があるものの、コストは安くない」(三井住友建設)という。

 こうした安全性、信頼性、性能を重視した設備を使うことで、周辺地域も含めた関係者に安心を与えつつ、より安全、より確実に長期間、発電事業を運営するのが同社の方針と強調している。

 こうした設備や施工でも、プロジェクト全体でコスト効率を高める工夫によって18円/kWhの売電単価でも、十分な事業性を確保できるという。

 今後も、18円/kWhでもう1カ所、さらに、入札制度を利用してもう1カ所、水上太陽光発電所の開発を計画している。これらも、平木尾池の水上メガソーラーへの取り組みを見て、それぞれの池の水利組合からの打診や紹介を受けて、事業化を決めた。

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