探訪

「水鳥のフン」「釣り人」、兵庫のため池に見る水上太陽光の運用上の課題(page 3)

フンは洗い、釣り人は警備システムによる対策を検討

2020/01/21 06:00
加藤 伸一=日経BP 総合研究所 クリーンテックラボ
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 野立て型でも、鳥のフンが太陽光パネルの上に落ち、白っぽい跡がパネルの上に固着することはよくある。しかし、フンが覆う面積はわずかで、さらに、雨が降れば雨水によって流れ落ちることが多く、発電量を大きく下げることは、ほとんどない。

 水上型の場合、フンの影響が大きくなることがある。「穴沢池」の水上太陽光発電所は、その代表例のような状況になることがある(図2)。

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図2●北西端から北側と西側の列に集中
(出所:日経BP)

 ため池の場合、普段から水鳥が多く生息している池や、冬季になると、渡り鳥が飛来する場となる池もある。水上に浮かぶフロートや太陽光パネルは、天敵となる動物が近づきにくい。水鳥や渡り鳥にとって、より安全にとまって休息できる場所となる。太陽光発電設備の設置前に比べて、池に飛来する鳥の数が増える傾向にある例もある。

 水鳥や渡り鳥は、野山の鳥に比べて、大型の種が多い。そのためのフンも広い範囲に広がりやすく、場合によっては、白いペンキを缶ごとぶちまけたような状態になる。野立て型太陽光よりも水上型で、「フン公害」がひどくなるのはこうした背景がある。

 1匹のフンでさえ、パネルの半分から1枚全体を覆ってしまう。まして、群れをなしていると、あたり一帯のパネルが真っ白になる。こうなると、発電量に影響する。

 「穴沢池」の水上太陽光発電所の現地を撮影した2019年12月上旬には、北西端を中心に、北側と西側の1~2列に、大きな水鳥が群れをなしてとまっていた。

 水鳥がとまっているあたりの太陽光パネルは、軒並み真っ白で、まるで豪雪地域に雪が降り積もったような状態になっていた。これらの太陽光パネルを含むストリング(パネルを接続する単位)では、発電量が低下していた可能性がある。

 太陽グリーンエナジーでは、フンの固着があまりに酷い時期には、状況を見ながら、パネルの表面を洗浄している。現地の企業に委託している。

 「穴沢池」の水上太陽光のほか、穴沢池に近い同じ稲美町にある「魚住池・草谷池」(太陽光パネル出力:約1.57MW)、岐阜県養老町にある「平池」(約1.080MW)、奈良県大和郡山市にある「小林池」(約544kW)という3カ所の水上太陽光で、同じように水鳥や渡り鳥のフンが目立つという(図3)。

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図3●穴沢池に近い「草谷池・魚住池」(上)、岐阜県の「平池」(下)でも水鳥のフンが多い
(出所:太陽ホールディングス)
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