探訪

「水鳥のフン」「釣り人」、兵庫のため池に見る水上太陽光の運用上の課題(page 4)

フンは洗い、釣り人は警備システムによる対策を検討

2020/01/21 06:00
加藤 伸一=日経BP 総合研究所 クリーンテックラボ
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 水上太陽光発電所の運営で、もう一つ悩ましいのが、「釣り人の侵入」である。

 水鳥や渡り鳥にとって、天敵となる動物から逃れやすい場所になっているのと同じように、魚にとっても、フロートや太陽光パネルは、下に潜ることで鳥に捕獲されにくい安全な場所となっている。

 このため、池に太陽光パネルを浮かべる前に比べて、池の中を泳いでいる魚の寸法が総じて大きくなっているという見方もある。捕獲されにくくなったために、魚がより大きく育つようになった可能性がある。

 そうなると、太公望にとっても、より魅力的な釣り場となる。

 水上太陽光では、堤体全体をフェンスで囲んでいる場合は少ない。フェンスを設けていても、地上のPCSにつながるケーブルが上陸しているエリアに限定している場合が多い。

 経済産業省が定めているのは、フェンスを設けることではなく、「周囲から第3者が自由に出入りできないように措置すること」なので、池の水によって堤体から太陽光パネルが隔離されている状況は、この条件を満たしている。必ずしもフェンスを敷設しなくても良い。

 釣り人は、堤体全体がフェンスに囲われている場合でも、立ち入ることがある。電線を地上まで敷設し、かつメンテナンス時の通路の役割を担う場所のフロートの上にまで侵入し、フロート上で魚を釣っている痕跡が見つかる場合もあるという。

 こうした「釣り人の侵入」は、各地の水上太陽光発電所で生じているようだ。

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