探訪

大型重機3台を常備して除雪、七戸町のメガソーラー(page 4)

土木造成の工夫で雪国でも過積載率1.3倍を確保

2020/02/10 05:00
金子憲治=日経BP 総合研究所 クリーンテックラボ
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設置角30度、設置高1.2mに

 七戸町の属する青森の県南地域は、日本海側の津軽地域に比べると比較的、雪は少ない。ただ、七戸町は、県南地域のなかでは西側に位置し、西部は八甲田山系に連なる山地になっており、雪は多めだ。最大積雪深は1m前後になり、全国的に雪の多かった2018年には1.4mに達した。町には七戸町営スキー場があるなど、冬は雪と共に暮らすことになる。

 「七戸町卒古沢太陽光発電所」では、パネル横置き4段(4枚)のアレイ(パネルの設置単位)構成とし、雪対策として、設置角を30度に傾け、アレイの最低部と地面までの設置高を1.2m確保した。パネルに積もった雪が滑り落ちやすくし、パネル下にできる雪山がアレイ最低部につながりにくくするためだ(図4)(図5)。

図4●地面からアレイ最低部の設置高を1.2m確保した
図4●地面からアレイ最低部の設置高を1.2m確保した
(出所:日経BP)
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図5●設置角30度でパネルを設置
図5●設置角30度でパネルを設置
(出所:日経BP)
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 また、架台設計では、通常よりも、太陽光パネルを裏から支える垂木を増やし、積雪時にパネルにかかる応力を軽減するようにした。こうした垂木部材の追加は、積雪の重みで損傷するパネルが多いことから、雪国の設計仕様では一般的になってきているという(図6)。

図6●架台設計では垂木を追加した
図6●架台設計では垂木を追加した
(出所:日経BP)
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 国内の野立て型太陽光発電所では、パネルの設置角を10~15度まで寝かせ、アレイの高さを低くする設計が一般的になっている。これによりパネルの影を短くし、アレイの離隔距離を狭めることで単位面積当たりのパネル設置枚数を増やせる。

 そんななかでも雪国のメガソーラーでは、設置角を30度前後まで傾ける設計が多い。面積当たりの設置効率を高めるよりも、少しで早く雪を滑り落とす方が、冬場の発電量を増やすとともに、パネルへの荷重を減らし損傷を防げるからだ。

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