探訪

自衛隊の演習場と隣り合う、佐賀・嬉野のメガソーラー

「出力制御ルール」の違いによる売電ロスの差が明確に

2020/03/31 05:00
加藤 伸一=日経BP 総合研究所 クリーンテックラボ
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 佐賀県嬉野市と長崎県東彼杵町(ひがしそのぎちょう)にまたがる場所に、大野原高原と呼ばれる広い草原がある。大野原高原の広さは約600ha、標高は400mを超える。この一角に、2カ所のメガソーラー(大規模太陽光発電所)がある。

 太陽光パネル出力が約1.135MW、連系出力が1.0MWの「SOL de 嬉野 岩屋川内」(以降、第1発電所と表記)、パネル出力が約1.23MW、連系出力が998.4kWの「SOL de 嬉野 岩屋川内2」(同、第2発電所)である(図1)。

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図1●上の画像の左右は第1発電所、その奥の草原が陸上自衛隊の大野原演習場
中の画像が第1発電所で、その左や上に見えるのが演習場。下の画像が第2発電所(出所:上は日経BP、そのほかはチョープロ)
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 大野原高原には、陸上自衛隊の演習場である「大野原演習場」がある。戦前に陸軍省が演習場として開設し、戦後、米軍が接収していた時期を経て、自衛隊が引き継ぎ現在も演習場として運営されている。

 2カ所のメガソーラーは、この「大野原演習場」の隣に位置している。周囲には、草原のままの自衛隊の演習場のほか、茶畑が多い。このメガソーラーも元は茶畑だった土地を活用しており、近くには同じように茶畑の跡地を活用した太陽光発電所が多くみられる。

 発電事業者は、液化石油(LP)ガスなどを手掛けるチョープロ(長崎県西彼杵郡長与町)となる。

 同社は、長崎県内を中心とする近隣地域において、多くの太陽光発電所を開発・運営している。地域に根ざした太陽光発電事業者の1社である。

 これまでに、17カ所、合計出力約53MWが稼働済みとなっている。

 同社の太陽光発電所の開発方針には、手の届く近隣地域のみで開発することのほかに、EPC(設計・調達・施工)サービス、太陽光パネルとパワーコンディショナー(PCS)メーカーの枠組みを変えず、信頼を深めた関係の中で連携して開発し続けていることがある。

 EPCサービスは九電工が担い、太陽光パネルはソーラーフロンティア製、PCSは東芝三菱電機産業システム(TMEIC)製を採用し、この3社による連携を基本に開発してきた。

 嬉野市嬉野町の2カ所のメガソーラーのうち、後から開発した第2発電所のみ、PCSは台湾のデルタ電子製を採用している点で例外となっている。

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