探訪

自律走行型ロボットが「ルンバ」のように草刈り、26台が走り回る福島のメガソーラー(page 3)

背の高い雑草が淘汰されて植生が変化、発電量も増加

2020/04/14 11:30
加藤 伸一=日経BP 総合研究所 クリーンテックラボ
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 発電事業者によると、ハスクバーナの自律走行型を導入して以来、除草の手間が圧倒的に減っただけでなく、植生が望ましい方向に変わるという予想外の効果もあった。加えて、発電量の増加にもつながっていると感じている。

 雑草の植生は、背の高い雑草が育たなくなってきた(図2)。例えば、アレイの下で多く伸びていたセイタカアワダチソウは、ほぼ淘汰された。毎日、欠かさず刈られることから、背が高く伸びた先に種子をつけるタイプの雑草は、種子を実らせる機会がなくなる。

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図2●背の高い雑草は淘汰され、代わりに、発電所にとって都合の良い地を這うような低い雑草で覆われるようになった
(出所:日経BP)

 セイタカアワダチソウもその例で、この効果だけでも導入の利点を感じているという。背の高い雑草がなくなったことから、以前は多かったクモの巣なども少なくなった。

 代わりに増えているのが、クローバーのような、地を這うタイプの雑草である。メガソーラーの中には、背の高い雑草の育成を抑える効果を狙ってクローバーを植栽することがあるが、今回のメガソーラーでは植えたわけではなく、背の高い雑草が淘汰されるのと交代するように、自然に繁茂してきた。

 この結果、まるで公園のように雑草がしっかり刈られていて、芝のような印象を受ける状態に変わった。ハスクバーナのロボット除草機の特徴は、伸びた草を刈るというよりも、常に一定の高さに保つという管理になるため、最終的に背の高い多年草などは駆逐され、背の低い被覆植物が優勢になると見られる。

 この影響もあって、3カ所のメガソーラーの発電量は年々、増えている傾向にあるという。この地域では好天が続いて日射量が多くなっていることだけでなく、除草方法の変更が寄与した面もあると推測している。

 乗用型草刈機を主に使っていたころは、アレイの下に潜って走行して刈ることを安全上の理由で控えていたため、アレイの下には背の高い雑草が所々に繁茂していた。ハスクバーナの自律走行型を導入してからは、アレイ下もしっかり刈れている(動画3)。

動画3●地面から低い位置に固定されている太陽光パネルの下も刈れる

(出所:日経BP)

 以前は、背の高い雑草が多かったことで、アレイ下は風通しが悪く、日中、晴れると太陽光パネルの熱がこもりがちだったが、アレイ下も含めて背の高い雑草がなくなったことで、風通しがよくなった。

 結晶シリコン型太陽光パネルは、高温時に発電効率が下がる特性があるため、アレイ下の温度が下がることで、発電量を増やす効果もあるのではないかとみている。

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