探訪

自律走行型ロボットが「ルンバ」のように草刈り、26台が走り回る福島のメガソーラー(page 6)

背の高い雑草が淘汰されて植生が変化、発電量も増加

2020/04/14 11:30
加藤 伸一=日経BP 総合研究所 クリーンテックラボ
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 ロボット除草機を使っていない場所の一つは、接続箱からPCSへの送電経路である(図5)。このメガソーラーでは、接続箱からPCSに送電する電線を地中に埋設している。

図5●電線を地中埋設している場所は走行範囲から外した(中央の枯草が伸びている場所)
(出所:日経BP)
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 当初はこの場所も走行範囲としていたが、この上を走行している時に、機体がワイヤーからの信号を適切に受信できず、走行を停止することが続いた。そこで、ワイヤーの敷設を変えて走行範囲から外した。

 接続箱からPCSに送電する電線には、発電量が多い時などに、走行用の信号の送受信を妨げる何らかの現象が起きることがあるようだ。こうした現象は、太陽光発電所に特有の事情といえる。

 このように、ロボット除草機を使うのに向かない場所があれば、ワイヤーの敷設の工夫によって避けられる。また、柵や杭などを設置しておけば、その前で停止して向きを変え、そこを避けて移動する。

 一方で、斜面でも問題なく走行して刈れている場所もある(動画4)。

動画4●ちょっとした斜面も登る

(出所:日経BP)

 草は、四輪の間に備えている回転刃で刈る。回転刃は、乗用型草刈機が備える鎌のような刃ではなく、かみそりの刃のような薄いもので、これを3枚備えている(図6)。

図6●回転刃は、薄い3枚の刃で構成
(出所:ハスクバーナ・ゼノア)
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 この刃は、年に2度ほど交換している。冬のメンテナンス時と、シーズン中にも一度替えている。

 導入したロボット除草機は、後輪駆動のため、前輪にはそれほど負担がかからず、前輪のゴムの摩耗は比較的少ないのではないかと予想していた。だが、意外にも前輪のゴムの方が、摩耗の度合いが大きく、車輪の本体まで損傷させないように、こまめに状態を確認してゴム部を交換するようにしているという。

 これも、太陽光発電所に特有の使用法によるものといえそうだ。既存の利用場所はほぼ芝の上なのに対して、今回の発電所では走行性の向上を目的に砂利で地表を覆った場所もある。芝と砂利では、前輪のゴムにかかる負担が異なるのではないかとみている。

●発電所の概要
所在地福島県
発電事業者林サッシ工業
太陽光パネル出力3カ所合計6.7MW
連系出力3カ所合計約5.6MW
太陽光パネル三菱電機製
パワーコンディショナー(PCS)東芝三菱電機産業システム(TMEIC)製
太陽光パネルの設置角20度
売電先東北電力
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