探訪

1つの池に2つの水上メガソーラー、高松市の「小田池」(page 2)

11カ所の水上案件を事業化した太陽HD、アジア拠点の屋根上にも着手

2020/06/16 05:00
加藤 伸一=日経BP 総合研究所 クリーンテックラボ
印刷用ページ

 太陽HDは、プリント基板用の絶縁材であるソルダーレジストの大手、太陽インキ製造を中核とする。ソルダーレジストは、プリント基板上で導電部以外の場所を覆って絶縁する材料で、太陽インキ製造はこの材料の市場シェアで世界トップの企業である。

 太陽インキ製造は、米アップル向けの生産を「100%再生可能エネルギー」で賄うことを公約し、アップルが2018年4月に発表した(関連ニュース)。

 太陽インキ製造の直接の顧客は、プリント基板メーカーなどとなる。プリント基板は電子機器に組み込まれるので、アップルなどの電子機器メーカーはその先の顧客になる。

 プリント基板のサプライチェーンでは、プリント基板大手のイビデンが2017年の時点で、アップル向け生産の「再エネ100%」の達成を公約した(関連インタビュー)。アップルは、自社製品のサプライチェーン全体の脱炭素化を目指しており、調達部品のさらに上流の「再エネ100%」を進めたのが太陽インキ製造の公約となった。

 アップルが先導したこうした動きは、新型コロナウイルス感染拡大の影響によって、今後のグローバルビジネスや社会生活が変わることで、さらに加速する可能性が出てきている。

 感染症が拡大していく中、大規模な火力発電所などでは、燃料の輸出入や多人数による運営に関わるリスクが顕在化してきた。これに対して、太陽光発電所は燃料が不要で、運営管理の従事者も少ない。新型コロナウイルス対策として、相対的に望ましい環境を実現できる側面がある。

 さらに、コロナ禍で重要性が高まってきたのが、アップルが先導するICT(情報通信技術)関連機器である。リモートワークや会議に欠かせない。

 その製造を支える電子部品・材料分野では、より柔軟な生産体制が重要になる。電力もその1つとなる。例えば、納入製品やサービスの品質、信頼性、価格などが拮抗している場合に、再エネ電源が事業の継続性を現実的に左右し、受注に響く可能性を肌で感じる状況になりつつあるようだ。

 こうした状況を背景に、取引先にも再エネ活用を求めていく方針は、他の分野においても今後、世界的に広がっていくことが予想されている。

  • 記事ランキング