探訪

雑草を「クルマで押し潰す」手法も、対策を模索する北海道浦幌町のメガソーラー(page 2)

年ごとに対策を変え、今年は全面的に刈り込む

2020/06/30 05:00
加藤 伸一=日経BP 総合研究所 クリーンテックラボ
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雑草が高さ1.5mのパネル低部を超える

 浦幌町のメガソーラーは、比較的平坦な土地に立地している(図3)。元の用途が砂利採取地だったことが大きい。

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図3●平地で当初は雑草が少なかった
(出所:エンバイオ・ホールディングス)

 北海道の太陽光発電所は、相対的に念入りな積雪対策を採用することが多い。太陽光パネルを架台に固定する位置を地上から高くし、パネルの設置角も大きくする。これによって、太陽光パネルから雪が滑り落ちやすくするとともに、落ちた雪が山になってもパネルに届きにくくする。雪山がパネルに接してしまうと、それ以上、雪が落ちなくなる。

 こうした積雪対策が、他の地域に比べて雑草への対応を楽にしている。太陽光パネルが高い位置に固定されているので、雑草もそれ以上に高く伸びない限り、発電ロスにはならない。とはいっても、点検作業や安全性に支障が出る問題は他の地域と変わらない。

 浦幌町のメガソーラーでは、太陽光パネル最低部と地面からの設置高は1.5m、設置角は40度となっている。

 雑草は高さが1.5mを超えない限り、太陽光パネルに影がかかることはない。そのためエンバイオHDも当初、雑草の問題には他の発電所ほど力点を置かなかった。

 大規模な太陽光発電所は、固定価格買取制度(FIT)がはじまるまで国内にはほとんどなく、雑草をはじめとする運営上の課題について、試行錯誤を続けてきた。発電事業者やEPC、O&Mサービス企業にとって、運営をはじめて初めて認識する課題が多かった。

 浦幌町のメガソーラーでも、稼働初年の2017年夏は、雑草はほとんど伸びなかった。これは、同年2月の売電開始から間がなかったからと思われる。

 施工時には、他の一般的な太陽光発電所と同じように、地表に手を入れて雑草を除去して整地し、一時的に雑草がなくなっていたためだった。

 その後は毎年、太陽光パネル低部より高く伸びた。そこで、影がかかりそうな部分を中心に刈ってきた。このメガソーラーでは年に1回刈れば十分という。

 雑草は冬になれば枯れる。浦幌町の発電所の場合、4月末ころまで地表は雪に覆われている。5月ころに雪が溶け、それから雑草が伸び始める。これを夏に1度刈ればよい。

 同社が運営している他の地域の太陽光発電所では、年に1回の除草では済まないことが多い。例えば、熊本県にある発電所では雑草の伸びが速く、年に3回は除草が必要となっている。

 長野県伊那市で運営している太陽光発電所でも、年に3回刈っている。ただし、これは異なる事情による。太陽光発電所の運営としては、ここまでの回数は必要がない。農地に囲まれている地域にあり、周辺への配慮から、周囲の農地が草刈りしたタイミングで、発電所内も刈ってある状態にして欲しいという地主の意向による(関連記事)。

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