探訪

雑草を「クルマで押し潰す」手法も、対策を模索する北海道浦幌町のメガソーラー(page 3)

年ごとに対策を変え、今年は全面的に刈り込む

2020/06/30 05:00
加藤 伸一=日経BP 総合研究所 クリーンテックラボ
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2年目の夏、クルマで雑草を押し潰すと…

 2年目となる2018年の夏、雑草の状況は、敷地内の場所ごとに大きく変わった(図4)。

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図4●2年目には雑草の繁茂で濃淡
(出所:エンバイオ・ホールディングス)

 一部では、地表にほとんど雑草が生えず、土が露出している。このような場所は、そのままで良い。

 一方で、雑草がぼうぼうに茂り、野山のようになっている場所もある。太陽光パネル低部を超える高さまで伸びてくる。ここは刈る必要がある。

 同社が自社で雑草を刈る場合、刈払機を使っている。しかし、草が繁茂した状況で、しかも、アレイ(太陽光パネルを架台に固定している単位)の前後間隔が約5mと広いことから、敷地内の一部とはいえ作業時の身体的な負担が大きい。5mの離隔距離は、背が高く角度も大きい北海道など積雪地の太陽光発電所では一般的である。

 そこで、他の手法を試すことにした。その1つが乗用型草刈機の活用だった。作業効率が高く、人より背丈が高い雑草を刈りこめる機種もある。

 しかし、すぐに懸念が出てきた。敷地内はほぼ平坦ではあるものの、大きく窪んでいる場所もある。雑草が繁茂している場所には、この窪みを含む場所が多かった。

 乗用型草刈機で一定以上の凹凸のある窪みを走ると、転倒の恐れがある。雑草が繁茂している場所にある窪みは、このリスクが大きいと判断し、採用を断念した。

 そこで試したのが、自動車を使った手法だった(図5)。雑草が野山のように繁茂している場所を自動車で走る。

図5●自動車で押し倒し、押し潰そうと考えた
(出所:エンバイオ・ホールディングス)
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 最初の走行で、人の背丈近くまで伸びている雑草を押し倒す。押し倒した後には、その上を繰り返して走り込む。

 刈ることに比べると、対策としては少し緩いように見えるかもしれない。しかし、年1回の除草で十分な環境であること、点検やその他のO&Mの作業で定期的に敷地内をクルマで走り回る保守体制を採っていることから、うまくいく可能性があると考えた。

 実際に、野山で野生の動物が繰り返し通ることで、雑草の伸びを抑えてできる獣道(けものみち)のように「雑草を踏みつけて」太陽光発電所の雑草の伸びを適切に管理する手法がある(関連コラム:ロボットが「草を踏んで」抑制)。

 一般的な乗用車を使い、車体前方のボンネットにシートを覆って保護した。ボンネットで雑草を押し倒すので、雑草によって傷がつかないようにした。

 この方法は、効果的だった場所とうまくいかなかった場所に分かれた。最もうまくいかなかった場所は、やはり窪みが大きい場所だった。窪みが大きいと、水がたまっていることも多く、タイヤがぬかるみにはまって苦戦した(図6)。

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図6●ぬかるみに苦戦
(出所:エンバイオ・ホールディングス)

 この手法は断念せざるを得なかったが、対処的な手法を講じ、この年に必要だった除草を終えた。

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