探訪

「刑務所」に隣接する湧水町のミドルソーラー、その利点は?

防犯上では有利も、雑草対策に試行錯誤

2020/09/01 05:00
加藤 伸一=日経BP 総合研究所 クリーンテックラボ
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 鹿児島県北部、宮崎県との県境に近い姶良郡湧水町中津川に、太陽光パネルの出力約864kW、連系出力675kWの「中津川太陽光発電所」がある(図1)。1MWに満たない高圧連系案件で、いわゆる「ミドルソーラー」と呼ばれる規模である。

図1●連系出力が675kWの中津川太陽光発電所
(出所:BCPGジャパン)
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 固定価格買取制度(FIT)開始後、比較的早く稼働し、売電を開始したのは2014年8月15日。FITに基づく売電単価は40円(税抜き)で、すでに丸6年が経過している。

 この太陽光発電所を開発・運営しているのは、タイ系のビーシーピージージャパン(BCPGジャパン:東京都港区)である。

 同社は、タイの石油大手Bangchak Petroleumグループで再生可能エネルギー開発を手掛けるBCPGの日本法人。この日本法人は、元は米SunEdisonの日本法人で、国内で発電プロジェクトを開発していた。SunEdisonの経営破綻を機に2016年2月にBCPGが買収し、稼働中・開発中の案件を引き継いだ(秋田県にかほ市の13MW岡山県奈義町の14MW)。

 発電主体は、BCPGジャパンが所有している特定目的会社(SPC)となる。BCPGジャパンでは、発電所の規模に関わらずサイト別にSPCを設立し事業主体としている。

 日本国内の太陽光発電所でSPCを事業主体にするのは、プロジェクトファイナンスの対象となる特別高圧に連系する大規模プロジェクトがほとんどで、中津川太陽光発電所のようなミドルソーラーの規模でSPCを設立するケースは珍しい。

 ただ、北米系ではこうしたスキームが多いようで、カナディアン・ソーラー・プロジェクトも同じような手法を採っている。

 EPC(設計・調達・施工)とO&M(運用・保守)サービス、太陽光パネルの供給も自社グループで一貫して手掛けた。

 EPCサービスは、サンエジソン建設(現・ビーシーピージーエンジニアリング:BCPGエンジニアリング)、O&Mは、BCPGエンジニアリングが担っている。

 太陽光パネルはSunEdison製を採用し、出力330W/枚の製品を2618枚並べた。パワーコンディショナー(PCS)は、東芝三菱電機産業システム(TMEIC)製を採用し、定格出力500kW機と175kW機を1台ずつ設置した。

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