探訪

養鶏地帯に立地する垂水市のメガソーラー、「鶏に配慮も、恩恵も受ける」(page 2)

調整池には鳥インフル対策、アクセス道は災害時に早期復旧

2020/09/15 06:00
加藤 伸一=日経BP 総合研究所 クリーンテックラボ
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調整池に防鳥ネット、通行車のタイヤを消毒した時期も

 垂水のメガソーラーの周辺には、大規模な鶏舎が点在している(図2)。この環境が、このサイトの大きな特徴の1つとなっている。

図2●どの区画の周囲にも、白い屋根の大規模な鶏舎が点在している
(出所:BCPGジャパン)
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 これらの鶏舎は、三菱商事を中心に日本農産工業、日清飼料(現・日清丸紅飼料)、日本ハムが出資して設立されたジャパンファーム(鹿児島県大崎町)の主力の養鶏施設である。

 ジャパンファームによると、同社のチキン事業は年間で4100万羽以上を生産・処理・加工し、日本ケンタッキー・フライド・チキンの認定工場の第1号にもなったという、国内を代表する養鶏ファームである。

 メガソーラーを構成する7カ所の土地は、すべて近くにジャパンファームの大規模な鶏舎がある。メガソーラーへの往来のために通る周辺の道路の多くは、ジャパンファームの鶏舎に毎日、エサを搬入したり加工後に出荷したりするためにも使われている。

 鶏舎への通行に支障を来さないように配慮する必要がある。中でも、自営線の敷設では、念入りに調整した上で施工したという。

 一方、利点もある。鹿児島県南部は、台風の影響を受けることが多く、激しい強風や豪雨に見舞われることがある。このメガソーラーでも、現地に向かう途中の道路が崩れて、現地に行けなくなったことがある。

 こうした場合、養鶏事業への影響の大きさから、いち早く復旧し、現地への経路が確保されており、メガソーラーはこの恩恵を受けているという。

 メガソーラーの施設も、鶏舎に配慮している(図3)。

図3●調整池の上の防鳥ネット
(出所:BCPGジャパン)
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 雨水が敷地外に急激に流出することを防ぐための調整池には、ネットが張られている。水鳥などが水面に近づくことを防いでいる。

 これは、鳥インフルエンザなど鶏の感染症の拡大防止対策である。池や川などの水辺に渡り鳥が飛来することで鳥インフルエンザの発生リスクが高まる。このため養鶏施設の周辺では、池や水路などに防鳥ネットを設置するケースが多い。

 鳥インフルエンザが流行していた頃には、メガソーラーに出入りする車両のタイヤを、敷地内に出入りする際に洗浄・消毒していた。ジャパンファームの要請を受け、対策に協力した。

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