富山湾を目の前に石油関連施設が並ぶ一角に、太陽光パネル出力が約2.8MW、連系出力が1.99MWのメガソーラー(大規模太陽光発電所)がある(図1)。
このメガソーラーは、日本海石油(富山市四方)の施設の敷地内に立地する。隣接地の石油関連設備は、日本海石油の施設である。
同社はENEOSの100%子会社で、この「富山メガソーラー発電所」はENEOSが運営している。ENEOSに統合される前の旧JXTGエネルギーが開発し、2017年1月に売電を開始してから約3年10カ月間を経過した。
ENEOSは、このような自社グループなどの遊休地を活用して、積極的に太陽光発電所などの再生可能エネルギー発電所を開発・運営している(図2)。
今年10月には、富山県高岡市にある伏木油槽所の跡地に出力約0.7MWの太陽光発電所を着工した。これが2021年3月に売電を開始すると、ENEOSの稼働済み太陽光発電所は21カ所・合計出力約49MWに拡大する(関連ニュース:油槽所跡地で3カ所・合計2.6MW)。
このほか、風力発電所が2カ所・約4MW、バイオマス発電所が1カ所・約68MWある。これらを合計した再生可能エネルギー発電所の合計出力は約121MWとなる。
バイオマス発電所は、パーム椰子殻(PKS)を使った木質バイオマス専焼で、北海道室蘭市において2020年5月に売電を開始した(図3、関連ニュース:国内最大の木質専焼バイオマス)。
バイオマス発電では11月、新潟県聖籠町において世界最大級という出力300MWの発電事業を、固定価格買取制度(FIT)を活用せずに事業化することを検討していることも明らかにしている(関連ニュース)。
風力発電では、2019年4月に台湾でのプロジェクトに資本参加。国内では秋田県八峰町・能代市沖に開発中の洋上風力プロジェクトにも参画している。
また、サービスステーション(SS:給油を中心とするサービス拠点)などにおいて、太陽光発電と蓄電池システムを組み合わせた仮想発電所(VPP)の実証にも取り組んでいる(図4、関連ニュース:給油所の例、同ニュース:鹿児島・喜入の中継備蓄基地の例)。
今後も積極的に再エネ発電に取り組み、2022年度までに国内外で合計出力1GW(1000MW)以上に拡大するという目標を掲げている。