探訪

積雪地でも設置角10度、富山の石油関連施設横にみるENEOSの太陽光(page 3)

安全・保全を重視、EPCや発電設備は幅広く

2020/11/17 05:00
加藤 伸一=日経BP 総合研究所 クリーンテックラボ
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設置角は低く、過積載率は高く

 富山市のメガソーラーは、積雪地にある(図7)。

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図7●積雪地だが、影響は比較的少ない
積雪時の画像は2017年1月17日に撮影(出所:ENEOS)
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 ただし、豪雪に見舞われることはそれほどないという。北陸の太陽光発電所の開発でよく言われる「三重苦」という、積雪による冬の発電量の少なさ、高い設置角による土地の活用効率の低さ、高い設置位置による基礎と架台のコスト増という不利なイメージは比較的、少ない場所としている。

 太陽光パネルの設置角は10度に抑えた。近隣には20度以上を選ぶ太陽光発電所が多い中、比較的低い設計になる。

 これは、海岸に近く積雪が続くことが比較的、少なく、降り積もったとしても海風が吹いて、すぐに吹き飛ばす効果も期待できるからという。

 ただし、設置高は太陽光パネル、PCSともに1m近くに上げている。

 ほぼ同じ時期に稼働した、福井県坂井市の福井油槽所の跡地を活用した、同じ規模の発電所でも、同様の設計となっている(図8)。

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図8●福井県坂井市の福井油槽所跡地のメガソーラー
太陽光パネルの設置角は10度、PCSの基礎も高い(出所:ENEOS)
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 両メガソーラーとも、連系出力の1.99MWに対して太陽光パネル出力は約2.80MWと、過積載率は約1.4倍とした。いずれもFITの売電単価(税抜き)は36円/kWhで、2017年1月1日に北陸電力への売電を開始している。

 同社が日本海側で最初に開発した太陽光発電所は、秋田県男鹿市の出力約2.4MWのメガソーラーで、設置角は30度としていた(図9)。ここでの経験を生かした。

図9●秋田県男鹿市のメガソーラー
(出所:ENEOS)
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 稼働後の発電量は、事業計画時の想定よりも多いという。積雪によって左右される月日はあっても、年単位で大きく発電量が落ちた年はないという。

 ただし、坂井市のメガソーラーについては、2017年~2018年にかけての冬季の大雪の影響を受けた。

 このシーズンは日本海側の各地で記録的な大雪に見舞われ、広い地域に被害が及んだ。

 この際、坂井市のメガソーラーでは、発電設備の損壊などはなかったものの、太陽光パネルに積もった雪によって10日間以上、発電量がゼロの日が続いた。

●発電所の概要
発電所名富山メガソーラー発電所
所在地富山県富山市四方荒屋(日本海石油の本社敷地内)
敷地面積約3万2000m2
太陽光パネル出力約2802.8kW
連系出力1990kW
年間予想発電量約2922MWh
(一般家庭約530世帯の消費電力に相当)
発電事業者ENEOS(稼働時は統合前の旧JXTGエネルギー)
土地所有者日本海石油
EPC(設計・調達・施工)非公開
O&M(運用・保守)非公開
太陽光パネル非公開
(出力265W/枚・1万780枚)
太陽光パネルの設置角10度
太陽光パネルの設置高さ1m
パワーコンディショナー(PCS)非公開
売電開始2017年1月1日
固定価格買取制度(FIT)に基づく売電単価36円/kWh(税抜き)
売電先北陸電力
●発電所の概要
発電所名坂井メガソーラー発電所
所在地福井県坂井市三国町新保(旧新日本石油の福井油槽所跡地)
敷地面積約3万2000m2
太陽光パネル出力約2802.8kW
連系出力1990kW
年間予想発電量約2922MWh
(一般家庭約530世帯の消費電力に相当)
発電事業者ENEOS(稼働時は統合前の旧JXTGエネルギー)
土地所有者ENEOSグループ
EPC非公開
O&M非公開
太陽光パネル非公開
(出力265W/枚・1万780枚)
太陽光パネルの設置角10度
太陽光パネルの設置高さ1m
パワーコンディショナー(PCS)非公開
売電開始2017年1月1日
FITに基づく売電単価36円/kWh(税抜き)
売電先北陸電力
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