探訪

積雪地での「両面ガラス・両面発電」の効果は? 十勝の地場企業によるメガソーラー(page 4)

太陽光パネルの交換で苦慮、除雪では新手法を積極的に導入

2020/11/30 06:00
加藤 伸一=日経BP 総合研究所 クリーンテックラボ
印刷用ページ

除雪の方法を模索

 豪雪地域ではないものの、除雪が必要になる場合もある。自社グループの発電所よりも、近隣地域の他の太陽光発電所から除雪作業を受託することが多いようだ。

 同社の場合、路上などでの除雪と同じように、地面に積もった雪の山を吹き飛ばして除ける手法を採用している(図4)。

クリックすると拡大した画像が開きます
クリックすると拡大した画像が開きます
図4●重機にアタッチメントを取り付けて除雪
図4●重機にアタッチメントを取り付けて除雪
(出所:ティー・ワイ)
クリックすると拡大した画像が開きます

 雪の山ができて困るのは、アレイ前部の下である。太陽光パネル低部まで届いてしまうと、パネル上の雪とつながってしまい、滑り落ちなくなるだけでなく、パネルに過剰な応力が生じて損傷してしまう場合もある。

 そこで、アレイ前部にできた雪の山を、前の列のアレイ下に除去する。

 重機に専用のアタッチメント(作業別の専用部材)を取り付けてアレイ間を走りながら雪を退ける。土木・建設会社を持つ企業グループだけに、こうした作業への親和性が高い。

 こうした除雪作業は引き合いも多く、ティー・ワイでは、より作業効率の高い手法を求めて、新しい手法や機器の導入も積極的に試みている。

 重機に専用のアタッチメントを取り付けて作業する手法は、雑草の草刈りにも応用している(図5)。

クリックすると拡大した画像が開きます
図5●草刈りも重機で
図5●草刈りも重機で
(出所:ティー・ワイ)
クリックすると拡大した画像が開きます

 乗用型の草刈機も導入しているものの、同社の場合、一定以上の凹凸があったり、地面が砂利で覆われている太陽光発電所が多く、乗用型の使用に向く場所は限られているという。

 太陽光パネルの洗浄については、ほとんど必要性を感じていないという。

 十勝地域は、空気が澄んでいてきれいな傾向にあり、土埃などが太陽光パネルに溜まることが比較的少ないと考えられる。

 積雪に備えて太陽光パネルの設置角が30度などと大きいことも、汚れが溜まりにくい要因になっている。

 ティー・ワイでは、これだけの角度がついていることによって、朝露でさえパネル表面を流れ落ちるため、毎朝洗浄しているような効果を生んでいるのではないかとみている。


●発電所の概要
名称ティー・ワイ十勝清水太陽光発電所
所在地北海道上川郡清水町羽帯
発電事業者ティー・ワイ(北海道更別村)
土地所有者ティー・ワイ
敷地面積3万3250m2
太陽光パネル出力約1338.8kW
連系出力1000kW
設計・調達ティー・ワイ
施工山内組(北海道更別村)
O&M(運用・保守)ティー・ワイ
太陽光パネルソーラーワールド製
(両面ガラス品:出力275W・4416枚、片面ガラス品:出力260W・480枚)
パワーコンディショナー(PCS)東芝三菱電機産業システム(TMEIC)製
(定格出力630kW機・2台)
基礎十勝豊西コンクリート製品(北海道帯広市)
架台北日本サッシ工業(北海道北見市)
売電開始時期2014年8月
FIT上の売電価格40円/kWh(税抜き)
売電先北海道電力
●発電所の概要
名称山内組幕別太陽光発電所
所在地北海道中川郡幕別町字千住
発電事業者山内組
土地所有者山内組
敷地面積1万7475m2
太陽光パネル出力約1288.5kW
連系出力995.0kW
設計・調達ティー・ワイ
施工山内組
O&Mティー・ワイ
太陽光パネルカナディアン・ソーラー製
(片面ガラス品:出力295W・4368枚)
PCSTMEIC製
(定格出力500kW機・2台)
基礎十勝豊西コンクリート製品
架台北日本サッシ工業
売電開始時期2017年3月
FIT上の売電価格36円/kWh(税抜き)
売電先北海道電力
  • 記事ランキング