探訪

津の51MWに見る、オリックスの「デジタル・メガソーラー管理術」(page 2)

作業の工夫で年1億円の増収、さらに1~2億円増の改善余地

2021/04/13 06:00
加藤 伸一=日経BP 総合研究所 クリーンテックラボ
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 オリックスでは、開発した多くのメガソーラーが売電を開始し、運転期間が長くなるにつれ、運用のあり方や手法を変えてきた。

 売電ロスを最小化して投資効率を最大化するという目的は変わらない。そこは同じでも、稼働後1年と5年、10年、15年とでは、その時点で最適なO&Mは変わっていくと考えている。

 変えないのは、売電ロスや不具合の発生を未然に防ぐ予防保全の考え方で、これは常に重要としている。「発電さえすればよいのではなく、設備や運営に関し、一定の基準に沿ったメガソーラーを作り上げ、運用したい」と強調している。

 このような中、2018年には、メガソーラーのアセットマネジメント(AM)とO&Mを担う子会社、オリックス・リニューアブルエナジー・マネジメント(OREM:東京都江東区)を設立し、AMの観点からみた最適なO&Mの手法を検討して順次、導入している。

 O&Mについては、標準的な仕様を定め、それに基づいて発電所の状態を把握・評価したり、不具合やその予兆などが見つかった時には、その状態に応じて適切に対処したりしている(関連コラム:予防保全を徹底、理想は「変動要因は気象のみ」、オリックスのO&M子会社)。

 津のゴルフコース跡のメガソーラーの場合、O&Mはトーエネックが担当している。そこで、オリックスでは、トーエネックと協議してO&M作業の内容や計画などを決めている。

 このサイトでは、OREMで確立した新たなO&M手法のうち、まず「デジタル化」を除く、人手による作業や実施の基準といった部分を導入していったという。

 トーエネックによる作業を評価しており、こうしたOREM流の作業の導入によって、メガソーラーのPR値(Performance Ratio:システム出力係数)が4~5%改善した(図2)。

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図2●作業の改善で年間の売電収入が約1億円増えた
図2●作業の改善で年間の売電収入が約1億円増えた
発電所内の様子(出所:日経BP)
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 それまでは年間発電量の初年度予想が約5700万kWh、売電単価36円なので、年間の売電額は約20億円で推移していた。このメガソーラーにおける4~5%のPR値の改善は、年間売電額が約1億円増えるほどの効果になる。

 その効果が得られた状態で、さらに、本当に発電所がベストな状態にあるのかどうか、確認するために実施したのが、今回のドローン点検だった(図3)。津のメガソーラーでは、初めてのドローン点検となった。

図3●2020年10月にドローンで空撮した
図3●2020年10月にドローンで空撮した
(出所:日経BP)
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