探訪

津の51MWに見る、オリックスの「デジタル・メガソーラー管理術」(page 4)

作業の工夫で年1億円の増収、さらに1~2億円増の改善余地

2021/04/13 06:00
加藤 伸一=日経BP 総合研究所 クリーンテックラボ
印刷用ページ

 ドローン点検の結果、津のメガソーラーでは、全体的に熱分布の異常が多く生じていたことがわかった。さらに、異常を生じている場所は、特定の場所に固まらずに点在していた(図5~6)。

クリックすると拡大した画像が開きます
クリックすると拡大した画像が開きます
図5●ドローン点検の結果
クリックすると拡大した画像が開きます
図5●ドローン点検の結果
クリックすると拡大した画像が開きます
図5●ドローン点検の結果
過熱していた場所は全体に点在していた。下は過熱の種類や原因、深刻度など(出所:オリックス、OREM)
クリックすると拡大した画像が開きます
図6●部分的に拡大してみた例
図6●部分的に拡大してみた例
(出所:オリックス、OREM)
クリックすると拡大した画像が開きます

 雑草などの影や、太陽光パネルの汚れといった、除草や洗浄の作業によって解消されることを見込める過熱を除いても、例えば、「ストリング異常が約2600枚」など、電気的に何らかの作業を講じる必要がある種類の異常による過熱が多かった。

 こうした「影や汚れによる過熱」分を除いて結果を見る(図7)、というような操作も簡単にできる。

図7●草木の影、汚れなどの影響による過熱を除いて表示した例。こうした操作も簡単にできる
図7●草木の影、汚れなどの影響による過熱を除いて表示した例。こうした操作も簡単にできる
(出所:オリックス、OREM)
クリックすると拡大した画像が開きます

 このドローン空撮の結果に対して、具体的な評価や対処法の検討は今後、進めていくものの、これまでの経験から、パッと見た印象でもPR値がさらに5~6%は上がる余地があると感じているという。

 もしその規模で改善が実現すると、年間の売電収入がさらに1~2億円増えることを見込める。このため、例えば、O&Mサービス企業に1000万~2000万円の臨時費用を追加して、過熱を解消するための具体的な作業を委託するといったことも、費用対効果を評価できることですぐに判断できる。

 こうした追加投資に対する判断も、オリックスグループでは当たり前の状況になってきたという。「デジタル化」によって標準化・定量化できたことが大きく、定量化できていない企業や発電所では、投資判断には至らないのではないかとみている。


●発電所の概要
発電所名オリックス51M津メガソーラー発電所
所在地三重県津市白山町三ヶ野3209ほか
敷地面積約112万5000m2
発電事業者ORソーラー・エイト合同会社
(オリックスによる特定目的会社)
太陽光パネル出力51.030MW
連系出力42MW
初年度年間発電量約5726万6000kWh
(一般家庭約1万5900世帯の消費電力に相当)
設計・施工トーエネック
太陽光パネル東芝製
(20万4120枚)
パワーコンディショナー(PCS)東芝三菱電機産業システム(TMEIC)製
O&M(運用・保守)トーエネック
運転開始日2016年5月10日
売電価格36円/kWh(税抜き)
売電先中部電力
  • 記事ランキング