探訪

「山間メガソーラー」における先端的O&M、久米南町サイトの5年(page 2)

斜面でもドローン活用、クラスター断線を効率的に特定

2021/05/26 05:00
金子憲治=日経BP総研 クリーンテックラボ
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「毎日、現場を見る」を実践

 「久米南メガソーラー発電所」が画期的だったのは、山間のゴルフ場開発跡地という、平地に比べ相対的に開発リスクの高い立地のメガソーラー事業に対し、プロジェクトファイナンスの組成に成功したことだ。

 その後、パシフィコ・エナジーは、久米南サイトで蓄積したノウハウを生かし、国内最大規模となるパネル出力257MWの「パシフィコ・エナジー作東メガソーラー発電所」など、山間のゴルフ場跡地を主体に巨大なメガソーラーを次々と開発、合計で600MWを超える案件を稼働させている(関連記事)。

 久米南サイトが「山間メガソーラー」の先駆けであることは、山間立地の太陽光をいかに運営していくか、という前例のない運営業務に対しても、パイオニアとして取り組むことになる(図2)。

図2●国内の山間メガソーラーの先駆けとなった
(出所:日経BP)
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 この難しい課題を担っているのが、旭電業(岡山市)だ。同社は、岡山県内を中心に電気工事の設計・施工を手掛け、FIT開始を機に、太陽光発電の施工や運営、O&M(運営・保守)にも積極的に乗り出している。パシフィコ・エナジーの開発したほかのメガソーラーと自社サイトなど合わせるとO&M事業の規模は500MWを超える(関連記事)。

 旭電業の江田健治執行役員・保安部長は、「FITスタート当初、太陽光発電所はメンテフリーともいわれたが、まったくそうではないし、遠隔監視さえしていればよい、というものでもない」と言う。「毎日、少しずつでも現場を見ることが重要で、サイトでの地道な作業をきっちり行うことが、安定した運用につながる」と話す。

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